抑制筒の作り方を紹介します
EDチューブでの在宅生活
娘は、1年前まではいわゆる動ける医ケア児だった(とは言え、2歳を過ぎても体重が5キロないくらいだったのでお座りもできなかったのだけども)。
でもとにかく動きまくっていた。
おそらく、同じ体格の子たちを集めたら運動量はダントツの1位だったと思う(もちろん月齢で言えばそんなに動きまくる体格ではないが)。
そんなお転婆娘を抱え、EDチューブでほぼ24時間持続注入という生活は今思えばなかなかしんどかった。
EDチューブは抜けてしまうと家で入れることは出来ない。
ER(救急外来)へ直行し、外科の先生(←娘の病院の場合)がしっかり腸まで入っているか確認するためX線透視下で行わなければならない。だからチューブの抜去は絶対に避けたいトラブルなのだ(閉塞も同じく)。
まさに
“絶対に抜いてはいけない24時”。
それがEDチューブでの在宅生活だ。
そこで必要となってくるのが、抑制だ。
色々な抑制方法があると思うが、私は病院の看護師さんのアドバイスで『抑制筒』なるものを作った。
この娘の腕に巻かれているのが『抑制筒』である。
このように、肘が曲がらないように筒状のものを腕に巻くから『抑制筒』というネーミングになっている、のだと思う。
肘は曲がらないが、指先は自由なのでおもちゃを触ったりはできるし、ご覧のように足を掴んで遊んで(?)いた。
え、脚がすごい?いやいや、もっとすごいのありまっせ〜!ほれ!
大の字どころの話ではない、土の字!!
…とまぁ、この軟体お転婆娘にとっては抑制筒はなくてはならないものだった。
私が少しでも目を離さなければならないときは、抑制筒をしていた。トイレとか、運転中も。
そりゃあ抑制はできればしたくないけど、それよりも抜けてしまったときの方が本人にも辛い思いをさせてしまう(絶対に動かないように押さえつけられる、入れるのに時間がかかる、少なからず被曝する等)ことになるため、抑制は必要なものだった。
とは言え私も何度ERに駆け込んだだろうかというくらいには引っこ抜かれた。
それはまさに刹那の出来事。まじで油断大敵。
EDチューブっ子のパパママたち、毎日おつかれさまです。
これは余談だが、娘は両足を左腕の紐まで持ち上げ、足の指で器用に紐を解いていたことがある…。それを見た瞬間、なんて器用な子なのーっ!と感動したと同時に、絶望もした(運良く紐を解くところまでで止まってくれたから良かったが…)。
前置きが長くなってしまったが、以下、抑制筒の作り方を紹介したいと思う。
これは、娘のかかりつけ病院の病棟で使われていたものをほとんどそのまま真似して作ったものなので、作り方の一例として見てもらえれば、と思う。
筒の中身(芯)
まずは筒の中身だが、園芸用の鉢底ネットを使っていた。
ホームセンターに行けば必ず手に入る。
100均に売っているものを買ったことがあるが、すぐバリバリ割れてしまったのでオススメしない。
高くないものなのでホームセンターでぜひご購入を…!
さらに言うと、ロール状になってる大容量の鉢底ネットも売っているのだが、それだと柔らかすぎてなんと我が家の怪力軟体お転婆娘は肘を曲げてしまったのだ。かと言って鼻に届くほど完全に曲がるわけではないから、それで引っこ抜かれたことはなかったけど…。
なので、できれば触って硬さを確かめてから買った方がよりいいかなぁとは思う。
この鉢底ネットを、手首から脇までの幅×ぐるっと一周できる長さに切り、腕に巻きつけている。
そしてこれは過去に外出中に偶然見かけた経管栄養のお子さんの話だが、この鉢底ネットを腕に巻きつけて、ベビー用のクリップ(帽子が飛ばないように服と帽子を繋げておくあの万能クリップ)で服と筒とを繋いでいたのだ。
見かけたときは思わず「なるほど!これは簡単でいいですね!」と話しかけそうになった思い出が…
鉢底ネットを入れる袋の全体のつくり
鉢底ネットそのままだと硬くて腕も痛そうなので、袋を作りそれに入れた。
そして両腕の袋を太いゴムで繋いで、ズレないようにした。
これが全体のつくりだ(鉢底ネットは入れていない)。
裏側↓
袋の口部分↓
袋を裏返してみると↓
その裏側↓
このようなつくりになっている。
雰囲気は伝わったかしら。
袋を縫う手順
袋を縫う手順、これを間違うと大変なことになるので(実際何回もやらかした)、小さな型紙のようなものを作り、縫う手順をメモして取っておいたものをお見せする。
蛍光ペンのピンクはマジックテープを表している。
裏側↓
そして、次の写真が縫う手順だ。
①、②…の番号は、上の2枚の写真の番号にそれぞれ対応している。(ただの自分だけのメモでなぐり書きなのでご容赦ください。)
(え、セーラーマーキュリーとジュピターが気になる?私、ドンピシャでセーラームーン世代なんでこういうグッズ見かけると買っちゃうんです…むふふ。)
縫う手順で一番気をつけるところは、最後⑥のゴムを縫うところだ。ゴムの向きを間違えると失敗してしまうので、まち針で留めてから布をひっくり返して確認してから縫い始めるなど、是非とも慎重にやってほしい(私は何度か失敗した)。
寸法までは載せていないが、まぁ肘が曲がらなければ多少大きかろうが小さかろうが大丈夫!
背中のゴムの長さも、脇から脇までの長さより短くなければ本人も痛くないと思う。
布は、写真では伝わらないかもしれないが、普通の布より厚手のしっかりした布を使っている。
ダブルガーゼで作ったこともあったが、劣化が早く中の鉢底ネットが布を突き破って出てきてしまってのでダブルガーゼはオススメしない。
それから紐の長さだが、私は筒に二重に巻いて蝶結びできるくらいの長さにした。
また、もう少し大きい子になると、紐は一ヶ所ではなくて二ヶ所に付けるとより安心かもしれない(力尽くで肘を曲げようとすると一ヶ所だと案外曲がってしまうので)。
以上、ちょっと簡単でしたが、私が以前に作った抑制筒の紹介でした。
今は娘は動けなくなってしまい、筒がいらなくなってしまったのはちょっと寂しいな〜なんて思ってみたり。
でもこうやって当時の苦労や試行錯誤をここに書き出せて少しスッキリしました。
どなたかの参考になれれば嬉しいです。