わたしの昭和の羽犬塚
羽犬塚駅の改札を出ると
ロータリーの向こうに
小さなヤマザキショップがあった。
夕闇の田舎町に、ポーッとあたたかな店の明かり。下り電車が到着すると、仕事帰りの人々でひしめきあった。恰幅のいい中年の店主はテノールボイスで「いらっしゃい」と、笑顔で客を迎えていた。店内に並べられたパンやお菓子は、ひときわ美味しそうに見え、スチームのガラス扉を開けると、蒸しあがった肉まんの匂いと共に、立ち昇る湯気が店先を白く曇らせた。
駅の右側にあるバス停の後ろにはレストランがあった。
名前はもう覚