『MESSIA-異聞天草四郎』考察③流雨の怒り
サンタ・マリアを彷彿とさせる清廉な美しさと、人々を包み込む優しさをあわせもった聖母のような女性。そんな理想的な女性として描かれる流雨ですが、私が一番印象に残っているのは、怒りをこらえて、唇を噛みしめる彼女の表情です。島原の人々が尋問される中、ライブビューイングに映しだされたその表情に、私ははっとしました。怒りという感情からほど遠そうに見える彼女が、ひたすら、ただ、ひたすらにこの世界の理不尽さに怒っていた。私が初見で抱いた流雨のキャラクター像が、ゆきちゃんの演技で覆されました