恐竜惑星(1993年)【アニメ紹介はなぜ嘘をつく「う、嘘じゃないもんっ」その考え方は危険だ「ええっ」】
天才テレビ君の番組内番組。
少し前に紹介した魔法少女隊アルスは、
それ自体が独立して存在できるアニメだったらしいが、
今作は実写パートとの連携必須の作品だ。
70年代に「まんがはじめて物語」というのがあった。
実写&アニメパートで、両方で負担を分散しつつ、
お話を進めていくタイプの教育番組系。
平たくいうとこれの系譜なんだ。
この恐竜惑星もみんな大好き恐竜をたくさん登場させながら、
実写パートと連携しつつ教育番組していくという類型の作品なのだ。
しかしこれが、子供だましではない。
いつものように、大人げなく本気で作っていらっしゃるのだ。
まず前提として、
後方でバックアップチームがドラマする実写パートと、
仮想タイムトラベルで恐竜時代を観にいくというアニメパートに分かれている。
行動するアニメパートが、なぜか女の子がやっている。
ヒロインの名前は萌ちゃんで、
おそらく少し前の現代アニオタが「萌え~」とかいうのは、彼女が語源なのだ。(異論アリ)そんなことはさておき、
仮想タイムトラベルは基本的には単に観光とか研究とかのために、
行くだけのものだったがイレギュラーが発生。
なぜか進化した二種の恐竜人類が、
過去改変戦争を繰り返している場面に遭遇。
仮想世界のはずだったのに、おかしなことが起きている。
この二種の恐竜人類、
片方は北方出身の肉食恐竜「ギラグール」で、
もう片方は南極大陸(まだ温暖期)出自の草食恐竜「フォロル」と、
系統もまったく違う種族の文明なのだ。
こんな二つの文明が同じ惑星で覇権を競っていたら、
それは仲が悪いだろう。
しかも肉食恐竜と草食恐竜であるから、
今でいえばコロナウイルスが突然自我に目覚め、
人類に対して征服戦争を挑んでくるようなものである。
この二つの種族が、
南種のご先祖様「レイ」という名前の少年恐竜を巡る争いをやっていたところ、たまたま出くわした仮想タイムトラベラーの人類の子どもたちが巻き込まれてしまうという作品。
基本的には北方種族「ギラグール」を敵とする話がメインとして続くが、
玄田哲章が演ずるギラグールの科学者が先生役をする場面もある。
ちなみにギラグールは女性の方がエライ社会らしいとか、
最高指導者の称号が「第一疾走者」とか、
嘘をつくという発想が思いつかないとか、
色んな種族的特徴がある。
人類からするとカルチャーショックしか受けないが、SFしててイイ!
異種族はこうでなくちゃいけない。
徹底的に異質でなければ異種族じゃないのだ。
バルカン星人やガミラス星人やネアンデルタール人は異種族らしくないのである。
せいぜい異人種だ。
まあ、本作にはギガントピテクスは出てくる。人類枠の友軍である。
さらには、
科学者「あれは中央アジア地区に配置された新型機か」
みたいなメカ要素までちょこっと入って来る。
新型機とかいう概念が出てくるアニメだったんだ・・
個人的には四式戦みたいな感じかなと思っている。
まあ結末のネタバレはしないでおく。
未来はどうにかなる!明日はきっと良くなる!
とだけ言っておく。まあ教育番組だし。
*****
動画なんだけど、ニコニコで出てるけど、
これがここで紹介していいのかわからない。
なので、ご自分で検索してみて欲しい。
配信はU-NEXTとかでもやってるらしいけど。
代わりに紹介動画はあった。
*****
とにかく子ども向けのお話とはいえ、
生物オタクにはちょっと気になる作風ではあった。
さらに仮想タイムトラベルであるにも関わらず、
現実世界の方も侵食してくるという、
特に「ギラグール」は別の可能性宇宙を侵食するような科学力を研鑽しているようなので。
いや、これは全宇宙・仮想現実仮説を採用しているんだな、と思った。
要するに人類の世界も含めてすべて仮想現実なんじゃないか。
そこまで言わなかったけど、
まあこれ、テレビ番組なので、仮想現実というのも間違ってはいない。
メタ的には事実なのだ。
そういう語られないSFメタ要素に、少しビビッときた。
そんなこんなで楽しく観られる作品ではあったのだ。
そして、この後番組(番組内番組)として作られたのが、
ジーンダイバーなのである。
後半に続く。
↑ DVDが売られているらしいけど・・・
言うまでもなく、いいお値段である。
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