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女王陛下の火山島(著:フィリップ・マカッチャン)【ようやく借りを返してくれる気になったようだな、読書紹介よ「返す気はありません。ただ少し返しておかないと、さらに借りることができないなと思って」そういうことだぞ】

こちらも英国の海洋冒険小説。
セントビンセント・ハーフハイド大尉を主人公にしたお話ですが、
時代背景が特殊でして、

19世紀末期です。
ホームズの時代です。

いや、この時代の作品は多々あれど、
大きな戦争もないし。
ここで海洋冒険小説をやるというのは、
類例を見ない。

そしてこの時代は、
イギリスはロシアと冷戦中であり、

ハーフハイド氏の敵手もロシア海軍となります。

ロシア海軍、ゴルジンスキー大公。ロシア皇帝のまたいとこ。
貴族の中の貴族である彼と、
平民のハーフハイド氏は好敵手であり、
シリーズ全般を通じて基本的に対立します。

まず第1巻。ベニン湾の戦雲。
アフリカ西海岸に出現した大公率いるロシア艦隊を追い払う話。

次いで第2巻。これが本作。

太平洋の火山島を占拠した大公率いるロシア艦隊を追い払う。
ところが折しも日本海軍も登場し、それで前回とは違った展開になります。

第3巻はドイツ海軍が相手。

第4巻はイスタンブールで再び大公と対決。

第5巻は読んでないな。

*****

冒険小説ですね。
平和な時代に、スパイやってた人の映画シリーズと、
似たようなスタイルです。

日本翻訳は5巻で打ち切られたみたいですが。
本国ではもうちっと続いているはず。

どうしても。どうしても他に買いたいのが多くて。
当時は後回しになってしまうのです。
それでも4巻までは図書館で読みました。
購入したのはこの第2巻だけです。

*****

この時代の船は、奇妙な形をしているのが多くて。
逆クリッパーバウ。
なんていうか、水面に近い方が尖がっている艦首が多いです。

↑ これがわかりやすいかも。
水面下に衝角が有って、体当たりするんです。

帆船などもまだ生き残っており。
果ては外輪船などもいるはず。

海底2万マイルも、ふしぎの海のナディアも、
この時代ですね。(当たり前だけど)
もうちょっとこの時代の海を出してくれてもいい気がするけど。

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