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まさかの縁がつながった。チャコさま母のハナちゃん、来たる。
風雲急を告げたのは、昨年の4月だった。沖縄県久米島で猫ボラを務める知人から、「チャコさまの母がTNTAの対象になり、今、東京の保護猫カフェで人馴れ修行中」と連絡が入った。
チャコさまの譲渡当時、母猫は片目で子育てをしていて、見るに見かねてその猫ボラさんが子猫(チャコさま他)の保護に至ったと聞いていた。その母猫が捕まり、東京に保護移送されている。
チャコさまと離れてもう長い。すでに親子としての記憶はないだろうと思った。それでも、母娘で暮らして欲しいと思った。それは人間のエゴであろうと思うが、実の娘がせっかくここにいるのに、母猫をどこか知らないところに行ってしまわせたくはなかった。
私は保護猫カフェを訪ねた。保護ボラさんと知り合いであること、娘猫と暮らしていることから、譲渡の話はトントン拍子に進み、トライアルは決定した。しかし大変なのはこの後である。我が家にはもうスペースがない。いや、ある。私の部屋だ。
お迎えを決心した当初は、ゴミ屋敷と化していた。捨てていいものを山程溜め込んでいた。一大決心である。1ヶ月かけて、部屋を断捨離した。ゴミの収集の日数が少ないので、捨てきるまでにどうしても時間がかかる。また、大量の機密書類があり、これは大枚はたいて業者に溶解処理に出した。
やっとの思いで、部屋の床が見えるところまで綺麗にし、三階建てのケージを用意して、再び保護猫カフェに連絡を入れる。6月の半ばに母猫はやってきた。「あやめちゃん」の仮名がついていた。捕まる3月までガチ野良として暮らしてきたあやめちゃん、人馴れが十分ではなく、距離を詰めすぎるとシャー、シャーである。そっとしておけば騒がない。
名前は「ハナちゃん」に改名した。チャコさまの母なので、これは相当パワーがあるだろうと思っていたが、チャコさまよりはまだマイルドだった。チャコさまのお迎え当時は凄まじいもので、ちょっとでも近づけばシャーパンチで血を見る羽目になる超ハードモード猫である。
それは、チャコさまをお迎えした別の保護猫カフェさんからは、「お母さんの言うことを一番忠実に守ってきた」と言わしめるほどだった。今のチャコさまは人馴れ訓練を経て、足にスリスリするくらいまでには慣れてきたが、今でもなかなか身体は触らせないし、なでられないわけではないが、ご機嫌次第である。
そんなチャコさまを経験しているので、まだ人馴れが十分ではないあやめちゃんも、長い目で見て馴れてくれればいいと思っている。ガチ野良の厳しい生活環境から、マイペースで暮らせる家猫としてゆっくり余生を過ごしてもらえれば、少なくともそれでいい。
今はだいぶ馴れてきて、人間がいない間なら、サムネイルのように、リラックスした姿も見せる。それでも手を出せばシャーパンチだが、距離感をきちんと取っていれば怪我はしない。手が怖いだけで、ケージ越しなら顔を近付けても怖がらなくなった。
我が家に来て8ヶ月、保護当時2kg台だったという痩せっぽちが信じられないほどに丸々肥えて、日々しっぽを立てて過ごしている。満腹の幸せを味わってくれているなら、それでいい。
人馴れ訓練も始めようとしたのだが、あまりいい反応を示さないので今はそっとしてある。そのうちまた、始めることもあるかも知れない。チャコさまでさえ馴れてきたので、母のハナちゃんもいずれ馴れるだろうとのんびり構えている。
お迎え当時、一週間後にまさかの事態が起きるとは、当時知る由もない。まさかの事態がなんであるかは、また次に。
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