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知らなかった。シャーシャー猫譲渡会の裏にある、猫からのやんばる希少動物保護。
2月23日。2月22日、ニャンニャンニャンの猫の日の翌日(祝日)、世にも珍しい猫の譲渡会が開かれた。人に慣れていない、シャーシャー猫ばかりの譲渡会である。告知はこちら。反響は大きかった。
集え!強者たちよ!
— 保護猫カフェねこかつ@川越@大宮日進 (@nekokatsu_1) January 8, 2024
最強の保護猫譲渡会開催のお知らせ!
猫はどんな猫だってかわいい!
人に慣れていない
その気高さがいい!
私が慣れさせるから大丈夫!
人に慣れていく変化を楽しみたい! pic.twitter.com/eP8tZ1d1S0
むろん、猫は可愛い。人に懐いている姿を見ると、相好が崩れるものである。しかし人に慣れた猫ばかりではないのが現実だ。現に我が家のチャコさま、ハナちゃん母娘はこちらから触ることは大変難しいし、無理に触ればシャーである。手も口も出る。荒猫の扱いに慣れていないと必ず怪我をする、危険な存在だ。
そんな我が家の事情もあり、このシャーシャー猫の譲渡会については大変興味を持って見守っていた。この動画記事を見ると、人が大勢訪れており、好評だったようだ。
そしてその後、このような記事も出た。
先の動画記事でも44匹中18匹の譲渡希望があった旨は書かれていたが、こちらの記事ではさらに事情を深掘りしている。一部引用する。
「沖縄からは、やんばる、本島、南大東島、動物愛護管理センターの猫などを引き取っています。5年間で500〜600匹を引き取りました。というのは、沖縄県内で里親さんを探すには限度があります。県外に譲渡するにも金銭的、時間的な負担がボランティアさんにかかります」
と説明する。また、沖縄の野良猫の保護を急がねばならないという、もう一つの理由も語った。
やんばる3村と呼ばれる国頭村、大宜味村及び東村では、ヤンバルクイナなどの希少野生動物の保護のために、森林域にいる野良猫を排除している。さらに、県と環境省らが「沖縄本島北部の生態系の保全等のためのネコ管理・共生行動計画」を策定。このなかで2023年度からの10年間で野良猫をゼロにするという方針を立ており、動物愛護団体から反対の声が上がっている。
これは知らなかった。やんばると野良猫の関係性。希少動物の保護と野良猫の関係性では、奄美大島のアマミノクロウサギとノネコの関係性が有名だと思うが、やんばるでも同じようなことが起きていたのだ。
猫は人間と共に暮らすようになって、猫になった。つまり猫の管理責任は人間にある。ヤンバルクイナも、アマミノクロウサギも、猫に殺されてしまうのは人間の怠慢の果てであり、その責任を取らなければならない。
その結果が殺処分であるというのはあまりにも哀しい。だから、保護し、貰い手の多い都心周辺に移送し、保護猫カフェで里親を探す。記事中にもあるが、沖縄県内のみでは譲渡先としての人手が足りないのだ。
実は我が家のチャコさま、ハナちゃん母娘は沖縄県の久米島から来た。久米島は猫が増えすぎており、行政も巻き込んで猫のTNR(注1)やTNTA(注2)を行っている。
シャーシャー猫の記事内では久米島に触れられていないが、久米島は久米島で猫との闘いがある。
「猫島」などと呼ばれる、地域猫の多い観光地もあるが、猫は基本的に「うちの中で飼う」生き物である。外猫には危険がいっぱいだ。交通事故、虐待、寄生虫、病気…そして短命。それらの危険は猫には必要ないものだ。だから、少しでも外にいる猫を減らすべく、様々な保護団体が必死に活動している。それでもなかなか理想には追いつかないのが実情だ。
シャーシャー猫の譲渡会が成功したことは、小さな成功ではあろうがこれからの一歩としては大きい。人慣れしていない猫でも譲渡先が見つかる。これは希望である。全ての猫が室内飼育になるまでの道ははるか遠いが、それでも一歩ずつ進んでいけば良い。希望を捨ててはだめだ。命を捨てるような真似もだめだ。命を救え。猫はそこにいるのだから。
注1 TNR Trap Neuter Returnの頭文字。「捕まえて・不妊手術して・元の場所に戻す」こと
注2 TNTA Trap Neuter Tame Adoptの頭文字。「捕まえて・不妊手術して・人に慣らして・譲渡する」こと
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