女性が性と生殖に対して主体性を持つということ
昨日ははぐ♡ラボ×もっくん珈琲お茶会Vol.9でした。
世の中もこのテーマで盛り上がってるの?という記事が、前日に目についたりしました。
↑これはお医者さんが書いた記事なんですけど、今回とりあげたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(生殖に関する健康と権利)を理解したり、確立したりするのには、いろんな性教育が必要だよ、という話です。よくまとまっていて、100回いいねしたいレベルなので、ぜひ読んでみてください。
昨日のお茶会は、避妊の話が結果的に多くなりました。
避妊というのは、もともと女性がリスクや負担を負う話が多いのに(実際に受胎する側の性だという意味で)、それが現在のところは、男性側の主体性によるところが大きい、というのが、アンバランスなんですね…。
特に、日本での避妊の手段というと、ほどんどがコンドームで行われているけれど、これをつけるかどうかは、基本は2人の話し合いではあるけれど、最終的には男性の主体性によるわけです。
ここに女性の主体性があったら(ピルなど、こちらの意図による道具などで避妊をする)、たしかにその部分は少しフェアになるし、リスクを女性自身がコントロールできるという発想になる。
おそらく、一昔前から、ひょっとしたら今に至るまで、この部分について「女性が主体性を持つ」というのはふしだらなことという偏見があるのかもしれないし、そして女性自身がそもそも、主体性をもつ発想が薄いというのが、なかなか議論が進まなかった原因なのでしょう。
ややこしいなと思ったのは、本来女性の権利の向上を意図しているフェミニズムの側にすら、ピルの反対論者がいるということです。いわく、ピルを使っているとわかると、ゴムをしない男が現れると。
ちなみにアフターピル(緊急避妊薬)についてもこれと同じ論がありまして、アフターピル飲めばいいじゃんみたいな感じで、男が安易に中出しをするので、この薬はNG、という話です。
女性が自分の足で立つことを目指しているはずの人たちが、女性が避妊の主体性をもつことを否定しているのは、はっきり言って論理的には破綻してると思うんだけど、女性としては、なんとなく気持ち的にわからないでもないというか、これが一瞬理に適っている気がしてしまうのが、闇が深いなと思ってます。
男性が主体性をもって女性を大切にするべきだ。という考え方。それはまあ、相手を大切にする意味では大事なことなんだけど、それと、女性が主体性を持つ話は、本来切り分けられることです。でも、そのへんの認識が曖昧な女性は多い。だから上記のような、論理的に破綻している話が出てくるんでしょう。
ほかのジェンダー論にも言えることだけど、どこか男様が女のフォローをして当然みたいな、逆お姫様意識とでも言うのか? それを無意識下に持ってる女性が少なくない、そんな気がするんですよねー。それは、ジェンダーフリーじゃないし、真の男女平等でもない。女性が男性の奴隷でないのと同様、男性も女性の奴隷ではない。
まあ、いまはきっと、女性が男性の奴隷っぽかった時代の反動のようなところもあるのでしょうから、だんだん時代とともに、女の逆権利意識みたいなものも落ち着いていくし、「女が主体性をもつ」というのがどういうことか、理解する人も増えていくのかもしれません。
話が少しずれたので戻しますが、わたし自身は幸い、避妊をしてくれない男性に会ったことはなかったので、その部分で困ったことがありません。でもそれはほんとにラッキーだったまでで、全部がわたしの手柄ではなかった。そういう関係性を作れていたという部分はありますが、少なくとも半分は、相手の男性がその選択をしてくれた成果であったわけです。
避妊に対して主体性が持てない苦しみ、というものを持つ機会がなかったし、その苦しみへの想像力が欠けているところがあったことに気がついたのは、今回の話をしての大きな収穫でした。
ライツ(権利)は感情の話ではありませんが、これを本当に理解するには、苦しみを持った人への想像力が必要なのかな、と個人的には思います。
そういう意味で、隣人との語り合いとかお茶会というのは、やはりいい機会ですね。正しい知識やまとめは、お医者さんや専門家が書いてくれるけれど、それを心に落とす部分で、非専門家のわたし達がやれる仕事も多いなと思いました。
次回日程はまだ未定ですが、11月末くらいかな? 決まったらお知らせします(^^)