もも

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

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雲ひとつないような抜けるほど晴天の今日は

悲しいくらいに、お別れ日和で。 女関係がクソほどだらしなくて、天邪鬼で、日に日に太っていってて、髭が似合ってなくて、タバコ臭くて、あんまり風呂に入ってなくて不潔だったけど、 頭が良くて仕事ができて、美味しいご飯を作ってくれて、狂ってるくらいエモい写真を撮っていて、そして私のことをめちゃくちゃ好きでいてくれた人。 今日、棺の中で見た彼はブサイクな死化粧をしていて、髭も剃られていて、太りすぎて緩んだ輪郭は硬くなっていた。 最期の3日間は、朝から一緒に酒飲んでゴロゴロして、美

    • 続・世界でいちばん愛しい時間

      「こんなんが家に1匹おってもええかもな」 2014年のジャパンレプタイルズショーで当時の同居人が安売りされていたフクロモモンガを買ってきた。それがピーちゃんとの出会いだった。 雑に衣装ケースに入れられていたその子は他のどの個体よりも小さく、非常に弱々しく見えた。 それから8年、あんなに小さかったフクロモモンガのピーちゃんは日本で最も(推定)デブなフクロモモンガへと成長した。 体重は約250g。小さいメスのフクロモモンガが90gくらいなので、それの3倍弱の大きさである。

      • 世界でいちばん愛しい時間

        私の恋人であり息子であり最愛の家族であるフクロモモンガのピーチ。一緒に暮らし始めて7年が経過し、お互い空気のような、特別なことは何もなくても欠けていては困る関係になっている。ピーチは一般的なフクロモモンガよりもだいぶ太っていて、とんでもなく食い意地がはっている。この日も彼の大好物のカシューナッツを持ってベッドの端に座っていたら、普段はまったくこっちに見向きもしないくせに、いそいそと膝まで登ってきた。 ちょっと臭くてあったかくてふわふわのピーチ。私に似て鋼のメンタルとどんくさ

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