霊能者さんのお話会

霊能者さんに『中に入っているものを取って』もらった翌日だったろうか、翌々日だったろうか…。
同じ場所でお話会があるというので
これも勉強だと長女と共に参加する事にした。

時間を少し遅れて到着すると、空いてる席はテーブルのL字を挟んで霊能者さんの真横しか残ってなかった。
その場に集まった十数人の品定めをするような視線にアウェー感を覚えつつ、そこに座った。
みんなそれぞれ、あれってどうなんですか?と質問を投げかける。
霊能者さんはジョークを交えつつにこやかに答える。
そんなやり取りの中、一人の女性が「遅くなりました〜!」とやって来て、私の向かいに座る女性と霊能者さんの間に座った。
どうやら私の向かいの女性も後からやって来た女性の紹介で初めて来た模様。
「見てもらった?」なんてやり取りをしている。
「○○さん(霊能者さん)! このコ見て下さい!入ってます?」と始まって
「見て欲しいの?」と霊能者さんが初めて来たコに聞く。
そこに「この人ハッキリ言わないとやってくれないからハッキリ言ってね!」と、家主のセラピストさんが決めゼリフ。
「は、はい!見て欲しいです!」となり
「うん、入ってるよ。人の旦那さんを奪っちゃったんだね…その奥さんがここにいるよ。」と、胃の下らへんを指指した。
私はBARでお店の人から聞いた話まんまだぁ、やっぱり旦那を取った取られたってのが一番多いのかなぁ〜なんてぼんやりその状況を眺めていた。
取る取らないの問答になり、支払いの説明。
もちろん取る事になり霊能者さんが引き抜こうとした時
「え!あれ洋服がほつれてたんじゃないの?」と長女。
長女には白い服の『入ってる』彼女の腹の辺りにほつれた糸が出ているかのように見えていたようだ。
それに反応した霊能者さんが私を見たので
「なんか服の糸が出てると思ってたみたいです…」と答えると
「見えてるね」と査定結果のように言った。
その言葉に一瞬で家主のセラピストさんやそのパートナーの見る目が変わったのがわかった。
BARで会った時も私が『中に入っている』ものを取ってもらった時も
『娘が見えている。どうその能力とうまく付き合っていけるのか。』という相談に軽いあしらいだったのが全て理解出来たように思った。

取って貰った彼女は晴れやかな顔になりまた談笑が続く。
すると次々に「コレお願いします!」と大量のパワーストーンブレスなんかを霊能者さんに渡す人が出て来た。
「エネルギー入れてくれるからなんかお守り的なものとか持ってたらやってもらうと良いよ!」と、家主のセラピストさん。
霊能者さんは渡されたものを暫く手に握りしめ確認しながら持ち主に渡す。
その間に「ここ辛くて…お願いします!」と私達の後から来た女性が、彼女側の霊能者さんの手がエネルギーチャージに使われていた為か私と霊能者さんの間に来て
霊能者さんにヒーリングを施してもらい始めた。
すると彼女の側から来る『圧』に私は耐えられず隣にいる長女の方へ押されていった。
頭がぐるぐるしてくるし、眉間の少し上、俗に言うサードアイあたりに圧を感じて痛い程だった。
正直、具合悪い。
「△△ちゃんに触れちゃってエネルギー流したら大丈夫よ!」と家主のセラピストさんが言う。
ヒーリングを受けてる彼女はニコニコとはいっ!と私の膝に手を乗せる。
たちまち『圧』はなくなり、サーッと流れていくのがハッキリわかった。
「ほら、なんか持ってないの?」と家主のセラピストさんが言うので私はコートのポケットを探った。
持っていたのは娘達が小さい頃使っていたシルバーの小さいガラガラ。レインボーチャイムというやつ。それと思い入れのある水晶。
その水晶は以前私が鉱物屋をしていた時に鉱物マニアから譲って頂いたロシアンレムリアン。
長女は以前遠出した際に参拝した神社で誕生日プレゼントにと入手した水晶の勾玉のネックレスを首から外した。
「それ魂入れしてるやつなのに良いの?」と私が聞くと
「これしか無いし」と
私と長女はそれらを霊能者に手渡した。
私達の渡したものは、他の人が渡した時より返ってくるまでに時間がかかった。
やっと戻ってきた時、私の水晶は物凄く熱くなっていた。
「ありがとうございます!」と受け取り
お開きの時間となりその場をあとにする。
外に出て歩き始めると
「なんか…疲れたね…」と二人で笑った。
それでも今回が『そういうかんじ』というだけなのかもしれないから次回も行ってみるか!と二人で結論を出した。
その後長女が
「あのね、勾玉からタヌキ出てきたの。」
「え!?どゆこと!?」私が驚いて長女を見る。
「どうやら○○さんがエネルギー入れたから押しだされて出てきたみたい。笑
百に聞いたら、お前の眷属だって。笑」

そこからの帰り道は百から眷属についての講習のようだった。
人にはほぼ必ず神の遣いである眷属がついている。
ただ見えないだけ。
長女のタヌキは長女が産まれた時からついている眷属で長女の勾玉が丁度良かったので依代にしていただけだった。
それから百が長女に見えるように周波数の合わせ方を教えた事など…

(眷属については情報量が膨大なので少しずつまとめていこうと思う。)

「あ、それからお母さんの水晶の中に龍いるよ。白ってゆーか…貝の内側みたいなかんじの。
○○さんのエネルギーを跳ね返してた。笑」

だから時間かかったのか…しかもあんな熱いの人肌の温度じゃないもんな…。

そう思いながら私はその水晶にまつわる『自分の勘違い』フォルダにしまっていた不思議な出来事の数々を思い出していた。

私は幼い頃から鉱物と植物が好きで、それが高じて以前鉱物と植物をイベント等を主に販売していた。
パワーストーンとしての効果にはさして興味は無く、石というもののパワーは感じる事があっても意味付けするのが嫌だった。
なので自分用に愛でていた鉱物は国産鉱物や美しい結晶のもの、マニア向けのものばかりだった。
なのに、その水晶ロシアンレムリアンロッククリスタルだけは無性に惹かれて鉱物マニアの方から(その当時ヒーリングストーン界では高価だったろうが)破格で譲って頂いた。

あれはその水晶を眺めながら寝落ちしてしまった時のこと。
白く螺鈿の様な龍が現れて通り過ぎる時、鱗を一枚落とした。
それが私の掌に落ちた瞬間、ハッ!と目が覚めた。
同じ手に私は水晶を握りしめていた。

私は龍好きなわけではないがそんな夢もたまには見るか♪とやり過ごしていた。

その後も友人と訪れた聖地のようなところで私の写真に虹色の龍のようなものが写ったりなどあったが、私はレンズのイタズラ程度に思っていた。

その水晶は内部に虹を抱していて、それが時により消えたりしていたが、
それも私は気温などにより内部のクラックの状態が変わるんだろうな、くらいに思っていた。

石を扱っていると、いきなり消えて有り得ない所から出てくるとかそういった不思議な事はよく起こる。

そういった事にもさして意味付けはしなかった。

鉱物を販売していると、どうしてもパワーストーン好きが集まる。
私は掌ヒラヒラ族(勝手に呼んでいた)が苦手で
並べた石の上に手をかざし、これはパワーが強いなどと査定するのを見ていると何だか悲しい気持ちになった。
時に、これは凄いわ!なんて選んだ水晶のクラスターに、いやそれはダイナマイトでドッカン!とされて酸洗浄されて人間の欲によってそこにあるんだけれど、それが凄いパワーなのかな?なんて心の中で皮肉を言った。

疲れた私はコロナを機に鉱物屋をやめた。

私が所有していた鉱物達の中で一番愛着があり、何より忘れない不思議を数々残し、無意識にポケットに入れていた、それがその水晶だった。

家に帰ってから
「どうやったら龍出てくるのかなぁ。」
と、長女と話した。
私と長女は、水晶の中の龍が封印でもされていて何かのきっかけが無いと出て来れないという体で会話していた。
単にそう思い込んでいた。
「アイツはこの前□□山で普通に出て来て龍神に挨拶してたぞ。て百が…」
驚いた顔で長女が言った。
「はいぃぃぃっ!?ふつーに出入りしてるだけって事!?」
「そーみたい!笑」
二人で爆笑した。
その後、ちょっと出てきてよと問いかけると
なんの事もなく、するっと龍は出てきた。
勝手に小難しく考えていた自分達の思い込みにただただ笑った夜だった。

龍は私の産まれた時からついてる眷属だった。
水晶はそれこそ、依代にしていただけだった。
今思えば、この龍が依代に選んだから私は無性に惹かれたとも言えるのかもしれない。


霊能者さんと二人の時にも話していたが、スピに集まる人は承認欲求や自己顕示欲、自分の自信の無さを埋めようとしてる人が多い。
そうしてどこかズレた方向へ向かう。
霊能者さんはそれを正したい、なんて事を言っていた気がするが、私はそれはそれで必要な事だろうと思っている。
それがそれぞれが設定した人生であり、自分が選択した結果が今なのだから、良いではないか。
これは違うなと自分で感じたら、違う方へ舵を切ればいい。
ただ自分が出来る事をやっていたら、自分が正しいかと不安になる余裕なんてない。
不安に悩まされるうちは自分に余力がある時だと私は感じている。

お話会なるものに参加したおかげで思ってもみなかった進展があった長女と私は、その場の居心地悪さはあったものの、やはり行動すれば何かしら前に進むのだと実感し、次回の予約もしたのだった。








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