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今年学んだこと

 教師の仕事は、勤務校の職員配置によって、自分の担当が変わる。それまでは免許状の関係で「外国語科主任」をすることが多かったが、今の勤務校に赴任してから「音楽科主任」も兼ねるようになり、市の音楽科研修会に参加するようになった。鍵盤楽器や合唱の実技研修がありとても興味深い。今年は「鑑賞」についての研修があった。その冒頭で「同じ曲を別の演奏者が弾いたものを流すのでどちらが好きか聴いてください」と言われた。作曲家の情報も、演奏家の情報もなく耳を澄ましているとメロディアスなピアノの旋律が流れた。初めて聴く美しい曲だった。

 後で調べてみたところ、シューマン作曲「謝肉祭11キアリーナ」だと分かった。

 この体験がきっかけで「シューマン」について生まれて初めて興味をもった。今年加入したnoteの「クラシック音楽愛好会」の和田大貴さんのnoteの記事やライブドアブログから「シューマン」についての記事を検索し読んでみた。すると、以下のようなことが分かり、益々「シューマン」について深掘りしてみたくなった。いつか「キアリーナ」が弾けるようになりたいとこっそり練習中。

シューマンは1810年にドイツのザクセン王国で生まれました。彼の父は出版業を営んでおり、シューマンは幼い頃から多くの本に触れることができました。ゲーテやシェークスピアなどの名作を愛読したシューマンは、文学的な感性を育みました。また、音楽も得意でした。ピアノやヴァイオリンを習っていたシューマンは、自分でも作曲を始めました。

1828年にライプツィヒ大学に入学したシューマンは、法律を勉強するはずでしたが、音楽や文学に夢中になりました。彼は有名なピアニスト、フリードリヒ・ヴィークのもとでピアノを学びました。そして、その娘であるクララ・ヴィークと恋に落ちました。クララもピアニストであり、シューマンの音楽の理解者でした。しかし、クララの父は二人の仲を反対しました。彼はシューマンが貧乏で不安定な音楽家だと考えていたからです。シューマンとクララは裁判で父親と争い、ついに1840年に結婚することができました。

シューマンの音楽と小説ー詩的で豊かな想像力の世界
:クラシック音楽ぶった斬りより

 シューマンのピアノ曲集がまるで童話のように一連のシリーズになっていたり、物語性を感じたりするのは彼が元々文学青年だったからなのだろう。 

 クラシック音楽研究者である和田大貴さんのライブドアブログというのは、2007年から続いている人気の老舗ブログである。音楽家の名前で検索することができる「クラシック音楽百科事典」のような側面を備えた、それまでのクラシック音楽評論家が言えない真実まで語っている通好みのブログだと言える。noteでは初心者の方から通の方まで幅広い層に向けて書かれている。

 最初は、和田大貴さんの記事の情報を読んだり、リンクの動画を視聴するだけだった。それが最近では、自分でも調べるようになりつつある。
 最近拝読した心に残っている和田さんの記事は「佐渡裕の情熱:レナード・バーンスタインの遺産を未来へ」である。
 佐渡裕さんと言えば「題名のない音楽会」で長らく司会を務めていらしたこともありとても関心をもっている指揮者だった。そこで、佐渡さんがバーンスタインの「カディッシュ」を指揮している様子が動画で収められているものはないかと検索をしてみることにした。ところが、そのあたりはしっかり権利が守られているようで音声のみの動画しか出回っていないことが分かった。その代わりに、佐渡さんがお若い頃の貴重な動画を発見することができた。

 バーンスタインが初めて佐渡裕さんを知ったとき「tasty potateを見つけた。泥をぬぐえばきっと皆から愛される食べ物になる」と言った話や、西洋の音楽を日本人が指揮することに悩んでいた際には「バーンスタインが『能』についてその場にいた人々に説明をした後、握手をゆっくりやるように伝え、手と手が合わさるときに感じる『エネルギー・集中力・パワー』を日本人はもっている」と伝えた逸話も収録されていた。晩年のバーンスタインと3年間を共に過ごした佐渡さんは、東洋と西洋の垣根を越えた魂をおもちのように思う。

 クラシック音楽を通して、音楽だけではない大切なものを学んでいると感じている。作曲家や指揮者、演奏家の生い立ちや背景を知ることが、自分自身の内観につながっていくように思う。

 仕事で音楽の授業や合唱を担当していたにも関わらず、子供の頃のピアノ教室での音楽体験によってクラシック音楽に対してどちらかというとマイナスのイメージを抱えていた私も、和田大貴さんの記事や「クラシック音楽愛好会」の皆さんや活動を通して「今、学び直しをしたい」関心事へと変化した。

 和田さんの記事中に「(引用)バーンスタインの『カディッシュ』は、彼の宗教的な背景と深い人間性を反映した作品であり、生と死、存在の意味についての探求を音楽で表現しています。」とある。バーンスタインの宗教観やその背景についても調べてみたい。

年末年始のお休みに、和田大貴さんの記事を通してクラシック音楽について造詣を深めてみるのはいかがでしょう? リンクされているバーンスタインの交響曲第3番「カディッシュ」を聴くのもお勧めです。
クラシック音楽や「クラシック音楽愛好会」に関心のある方は和田さんのnoteを御覧ください。

「クラシック音楽愛好会」のメンバーでもあるちゃりれれさんが、佐渡裕さん指揮の「サントリー1万人の第九」に今年も参加されています。全編ドイツ語、全編暗譜、容赦なしなのだそう。続けていらっしゃるのは本当に素晴らしいことだと尊敬致します。
また、ちゃりれれさんの美声は皆さんも記事で御存知かと思います♪ 

最近御紹介して頂いたポリーニのショパン夜想曲13番もリンクさせて頂きます。

宝石のように繊細なきらめきのある演奏を是非お聴き下さい。
「ショパン夜想曲13番」をモチーフに小説を書いたこともあり、私にとってとても思い入れのある曲です。



どんむさんの素敵な画像をありがとうございます。