恋文「はんかち姫へ」
三羽 烏さんの企画に参加させて頂きます。
動画の音楽を再生しながらお読み下さい。
大学受験を乗り越えて
もうすぐ飛び立とうとしている君のことが
とっても好きでたまらない
受験生なのに鼻歌混じりに
二階の勉強部屋から降りてくる君は
ひょっとすると
日本一のんびり屋の受験生なのかもしれない
なかなか自分のやりたいことが
わからなくて長い時間が必要だった
ようやく見つけたのは
君の小さい頃に本当に好きだったもので
他の人が聞いたら
「なんで、そんなこと?」
「進路を決める基準はそこじゃないでしょ?」
って言われてしまうようなものだった
だけどわかるんだ
その小さなこだわりを大切にしないと
ずっと後悔することになるって
母である私はずっと自分の本当にやりたいことに
気付かずに時間を費やしてしまったから
「ディズニー」と「ルバン三世」が大好きだった
ルパン三世全シリーズのDVDが家にあって
よく見ていた君は小学生になると
工作で作ったジェルアートの貝殻の裏に
「不ニ子」って名前を書いたり
友達と「ルパンごっこ」をしたりする
周囲にルパン愛を広めるような子供だった
もっと小さい頃には
ディズニーリゾートへ出かけるとき
「ミッキーさんに手紙を書いて行こう!」
ひらがなに関心をもつきっかけになったね
少し大きくなると
「アリエルに手紙を書きたい!」
英文の手紙をまねして書くようにもなった
「ディズニーのキャラクター」に
子育てを後押ししてもらったのは私
或る時、キャラクターと写真撮影をするために
長い長い行列にじっと並んで待っていた君は
大切なポップコーンをこぼしてしまった
泣きそうな君にキャストが近寄って
声を掛けると足早にどこかへ出掛けて行った
そして間もなく戻ってきたキャストは
さっき君がこぼしたのと同じ味のポップコーンを
君にプレゼントしてくれた
こういう「優しさの魔法」体験が根幹となって
今でも「ディズニー」が好きなんだよね?
君が選んだ大学の基準は他の人と違っていたから
面談の時に担任の先生も驚いていたね
「共通テストの結果によって、志望大学はどこに変更しますか?」
という質問はナンセンスだった
だって第一志望にやりたいプログラムと環境が
あるのだから
滑り止めの私学も皆が受験したいような
西や東の名のあるところではなく
そのプログラムがあるかどうかが大事だった
「お母さんは反対されてないけど、大人から見たらその基準は違うってこと、わかっていると思うよ」と言う先生
「決めるのに時間がかかる長女が、ようやく見つけた大切なものなんです」
と伝えたのは母親の義務だと思ったから
先生はそれ以上言っても君の決意も母の意向も
変わらないことを察知した
大切なことはさ
偏差値の高い大学に行くことじゃない
自分のやりたいことができる大学に行くこと
そのためになら自分の力を超えて
受験勉強に集中することができる
迷わずに進んでごらん
きっとひとつ目のゴールに達したときに
次にやりたいことが見えてくるからさ
もしも
フロリダのディズニーリゾートで
就業体験をしながら
おもてなしやエンタメについて学んでいるうちに
そこが「夢の国ではなかった」
と思うような厳しい出来事があったとしても
自分自身で実感することが大切なわけだから
やってみたらいいよ
応援しているからさ
ずっと君のことが大好きな
母より
尚、難関大でないと学べない学問や、就けない職業はもちろんありますからこの記事は、あくまでも「我が家の場合」といういことで御理解下さいね!