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思いと裏腹に

あなたを前にすると
心にもない言葉が出てしまう

そんな言葉
言いたくなかったのに・・・・・・


後悔した時は
既にあなたを傷つけている


思いと裏腹に
すれ違ってしまうのは
過去に忘れてきてしまった
大切なものがあるから

もっと素直になれたいいのにと
願う


甘酸っぱい青春小説の向こうに
大人の人生模様が・・・

【小説】コールドムーン
【これまでのあらすじ】 

目の前のものに太陽のような眩しい光を当てると
全てが明らかとなり平面に見える
そこに影ができると立体的に見えてくる
人生も憂いがある故に大切なものがはっきりして深まっていく
でも 影ばかりだったとしたら?
人生の大切なものは 欠落していく

主人公の林凛香は、幼い頃に母と離婚した父親の記憶がほとんど残っていない。離婚後の生活では保育園にいる時が唯一の安心できる居場所だった。帰宅しても母は仕事で忙しく、祖母も僅かな食べ物だけを与えて自営業の食堂の仕事に戻って行く。凛香は「夕食を囲む」ことが毎日するものだとは知らずに育った。
「将来はアフリカで青年海外協力隊員として活躍したい」と願っていた凛香だったが、そのきっかけであるアブドさんから「僕たちは、安全な日本にわざわざ避難している。なのに凛香さん、アフリカに行く必要ある?」「凛香さんにとって何が一番大切なことか考えて」と言われショックを受けた。だが、考えているうちに少しずつ考えが動き始める。
同級生の桐谷春翔が凛香に関わろうとするのだが、素直に接することができない。「好きな人を傷つけることは悲しい」もしかすると父親も母に対して同じようなことを考えたりしなかっただろうか?と思い始める凛香だった。