見出し画像

#14 岩手にいつ帰ろうかな。

「 地元あるある 」

ご近所さんが、ピンポン押さずに家に入ってくる。
むしろピンポンを鳴らされるとドキッとする。

誰がどこで何やってるか、だいたい知れ渡っている。
会話のネタのほとんどは、人の事の情報共有。

「今なにやってるの?」
「どこに就職するの?」と、
なんの躊躇いもなく、ズカズカと聞いてくる。

一瞬、うっ!となるんだけど、
あまりにも近すぎるこの距離感、
案外悪くないんだよなぁ。

そうだそうだ。地元の人との距離感、
こんな感じだったよなぁと、
変わらぬものにほっとする自分もいる。

9月前半は、岩手に帰っていた。

今回は、群馬から車で7時間くらいかけて帰った。

福島を越えて仙台に近づいたあたりから、
どこにでもある田んぼや山の風景が
なんとなく愛着あるものに見えてきて、

ふぅーっと肩の力が抜ける感じがあった。

10日間くらい、長めに過ごした。
毎日たのしく過ごした。

「よく来たねぇ。元気そうでよかったよ。」

小学校の頃からずっと可愛がってくれて、
ずっと応援してくれている友達のおばあちゃんは、
私の顔を見るなり、涙を流してくれていた。

無償の愛を感じ、私も胸が熱くなった。

久しぶりに話した同級生に、
「いつ帰ってくるの?」と聞かれた。

迷わずどこにでも飛んでっちゃいそうな私に、
いつか帰ることが既に決まっているかのように、
当たり前のように、自然に、
「いつ帰ってくる?」と聞いてくれたのが
素直にうれしかったな。

そうだ。確かに、
いつ帰ろうかなぁ。

岩手を出て6年目。
知らなかったことや、初めての土地・人に
とにかく心が踊って、わくわくして、
切り拓くことに夢中で、ここまで来た。

今いるこの場所も、ここで出会った人たちも、
私にとってほんとうに大切で。

そして、
これからもまだまだ、知らない土地に
手を伸ばしてみたい。

「地元にいつ帰るか」
ガツガツと、目の前のことだけ見ていた私の
肩をトントンと叩くような、
なんとなく心に留まる問いだった。

答えはまだわからないけど、
きっといつか帰りたい。帰る。

新しい出会いにときめいてワクワクしていながら、
やっぱり、心の奥の奥では、
私の地元のことを想い続けている。

『 故郷を救いたい! 』なんて、
自分にとって大げさなことは全く考えてない。

ただ、私を大切に育ててくれた人、まちに、
父の日、母の日に両親へ贈り物をおくるような、ささやかな心持ちで、何かをかえしたい。

今の私がぼんやり描いていることは、

事務所なのか、作業場所なのか、私の拠点があって
お花、コーヒー、本、雑貨、良い匂いのもの、、私の好きなものたちを手に取れる場所もあって、
好きな音楽、心地よい音楽が流れていて、
学校帰りの子どもたちが、やっほ〜!なんて言いながらふらっと立ち寄れる場所でもあって、
近所のおばちゃんたちが“ズカズカ”入ってきて、好きなくらいおしゃべりしてったり、大量の野菜なんかをおすそ分けしてくれたり(笑)、

そんな、“着飾らない”、にぎわいがあって、
自分にとっても大切な場所になって、
私だけじゃなくて、誰かの心の拠り所になっちゃったりして!

そんな場所!つくりたいなぁ。

そんな場所が、岩手だけじゃなく
群馬や、熱海にも、
私がこれから出会うかもしれない大切な場所にも、
つくれたらいいなと考えながら、
ニヤニヤしている。

野望マンの私は、そんなことを常々思い描いて
ニヤニヤしている。笑

ニヤニヤしながら、これからも頑張ろう。
もっと頑張ろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?