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小説 本好きゆめの冒険譚 第七十五頁

 ギリシャの中心地に「正教会」がある。

 ネマイという、正教会の司祭は胸騒ぎを感じていた。と言うのもこの10年程前から、宝物殿にある「ゴエティアー悪魔封印の書」から、なにやら不審なエネルギーを感じる事が多くなっている。

 ある時は、裏返しになっていたり、またある時は、床に落ちていたりと活発化しているのだ。

 ネマイは今日も確認の為、宝物殿の中に入る。
 悪魔封印の書が、光を帯びている―

「な、なんと!」ネマイは逃げようとするが、もう遅く封印の書に飲み込まれた…。

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「何もない空間」。

「私、医学部に進もうと思うの!お父さん!」
 ゆめが、意を決した顔で、ゼウスに言う。

「ゆめならその道が一番じゃろうな。女神の加護もある事じゃしな。」

「それでね、お父さん、紹介して欲しい人がいるの!」

 ゼウスはヒゲを触りながら、不思議そうに尋ねた。

「誰を紹介して欲しいんじゃ?」

「医療と癒やしの神様です!」

「そうか、ゆめには必要じゃな。」

 ゼウスは立ち上がると、「アポロン、ヘスティアよ、儂の元にくるのじゃ!」

 何処までも聞こえそうな声でゼウスは声を発した。

「お呼びですか。ゼウス様!」
 片膝を地につけながら、挨拶をしている神―アポロンである。

「お待たせいたしました。ゼウス様。」
 同じく、ゼウスに屈しながら挨拶をする女神―ヘスティアである。

「お前達を呼んだのは他でもない!儂の娘に力を与えよ!」

 困惑をした二人は、恐る恐るゼウスに苦言した。

「し、しかしいくらゼウス様の命令でも、聞けない事もございます。」

「何?儂に逆らうとでも言うのか?」
 ゼウスは、今まで見たことのないような怒りの形相で、二人を威嚇する。

「儂がしろと言えばするんだ!何のための神か!」

 ガンと槍を突きたてる。

「畏まりました。力を授けましょう。」

 アポロンからは医療を、ヘスティアからは癒しの力を賜り・・・。

 ゆめは医療と癒しの力を得ることになった。


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