長堀橋の恋人達
それは地下鉄長堀橋駅の長い連絡道路で見かけた
高校1年生であろうか、まだ制服がなじんでない
が、付合いは長いんだろう手のつなぎかたが自然だ。
(いいね〜若いね〜あんな時あったな〜)
女の子は少し肩をすぼめて話しかける
「ねえ、明日も一緒に通学できる?」
「いつも一緒じゃん?」
「…そうなんだけど」
男の子はその手をギュッと握りしめて、口を開いた。
「俺たちは中3の時から付合ってるんだぜ、今さら何いってんの?」
「…だって…」
「私達、付合ってもう1年だよ?なのに…」
「なのに?」
「いまだに手しかつながないなんて…」
男の子は察したのか、顔を赤くしながら
「そ、そそそそんな事ないよ」
「これからもずっと君のことが大好きだよ!」
「じゃあ、証拠を見せて」
と足を止めて男の子の顔を見つめながら、ゆっくりと目を閉じる。
周りに誰もいないかキョロキョロと辺りを見ながら
(…僕がいるんだけど、君たちのことガン見してるんですけど、するの?)
意を決して顔を寄せていく…
そんなときに営業帰りなんだろう、汗だくのサラリーマンの人が通り過ぎる…
何もないかのように振る舞う男の子
「ねぇ、早く…」
女の子は猫が甘えるような声でせがむ。
「おっ、おう!」
そんなときに同じ学校の制服の男子共が通路を歩いてきたのだろう話し声が聞こえてきた。
男の子はどうするか頭の中をフル回転!
…彼女を振りほどくと先に歩いて行った
「もう!」
そりゃそうなるよね!
甘酸っぱい青春の1ページでした!
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