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小説 本好きゆめの冒険譚 第六十五頁

 私のブーム?小さな頃からやっている遊び。

 それは「カスタム御伽噺」!

 というのは理由があって・・・


 私は「北風と太陽」の本の中にいた。

 やっと、北風と太陽に勝負出来る!

 駆け足で、旅人の元に向かうと

「すみません、マントが汚れてますよ。」

 と声を掛けた。


 すると、旅人は、すぐにマントを脱いだので、北風と太陽は何をするんだ!と激怒。

「じゃあ、この中で誰が一番強いか勝負しない?」

と持ちかけたら、簡単に話に乗った北風と太陽。

 北風が、冷気を纏った風を吹く瞬間に「黒雲」を出したらあっけなく勝負はついた。

 ならば俺が!と太陽が熱波を出して来る!これに対して水をかけるけど、直に蒸発して何もならない…。ならばと、氷柱をぶつけてみた!これも失敗…。ならば最後の手段!

「ゼウス!」

「はい!ゆめ様!」

 ゼウスから、一冊の本が…「北風と太陽」である。

 ゆめが「消しゴムを当てる」と太陽が、見る見ると消えていく…

「待った!待った!俺の負けだ!頼むから消さないでくれ!」

 私の勝ち!

「勝負に負けた、お前達に話しがある!」

「私の眷属になりなさい!」

「わ、解りました!」

 北風と太陽はゼウスに飲み込まれた…。


 北風と太陽に勝ったのは良かったのだけど…。

 パパが「これでは、暗闇の荒野を旅人が、ただ歩いているだけの話しにならないか?」と言うので、「温かい太陽とそよ風」を書いた。それでも、パパが、旅人さんが疲れるのでは?と言うので、10キロ毎に「宿舎もしくは、休憩所」を作った。

 作ったのだけど・・・

「旅人さん、お金持ってるのかしら?」

「クレジットカードを持たせればいいんじゃないか?世界共通プライスレス!」とパパが言ったので、旅人にクレカを持たせることにした。

・・・こうして、北風と太陽の旅人は、楽しい旅をするのであった。めでたしめでたし・・・。


「めでたくはない!」

「お父さん」に言われた。

「「北風と太陽」という噺は、人間、短所・長所があり、お互いに認めあって仲良くしようという、道徳的な本なのじゃぞ!」

「で、でも、私はこの本の内容も知ってるし、暑かったり、寒かったりの中の旅人さんが、可哀想と思って…。」

「そうよ、そうよ、ゆめの優しさじゃないの!」

 ヘーラーが、私を抱きながら反論する。

「まあ、この本を読むのは、ゆめだけじゃしな…許すとしよう…。でもな、この本の内容、面白いか?他の人が見ると???とならんか?」

「それも、そうね…。」

 ヘーラーも頷く。

「ゆめや、旅人さんが楽しく旅が出来るように、書き加えてやるのじゃ。」

 それで、今…。

 私は「旅人」と言う名前の本を書いている。
 この内容はまた後日。


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