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小説「オチルマケル」ボツネタ009

昨日アップするのを忘れていましたので、今日は2つアップします。

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0073 【閑話】 大騒動!動物になった英雄たち

森の中の訓練場で、ユキは新しい魔法の呪文を試そうとしていた。仲間たちは少し離れて見守っている。

「みんな、準備はいい?今日は新しい魔法を試してみるから、ちょっと距離を取ってね。」ユキは自信満々に言った。

「ユキ、大丈夫か?前回の実験では少し大変だったからな。」エドが心配そうに問いかける。

「心配しないで、エド。今回はちゃんと準備したから!」ユキは笑顔で答えた。

「おー、楽しみだな!何が起こるんだ?」クリスが興奮気味に言うと、ロンが少し眉をひそめた。

「クリス、少しは慎重になれよ。ユキ、気をつけて。」ロンは落ち着いた声で言った。

ユキが呪文を唱え始める。だが、突然魔法のエネルギーが暴走し、眩しい光が彼らを包み込んだ。

「エネルギーが…制御できない!みんな、気をつけて!」ユキの叫び声が響く。

「うわ、まぶしい!」クリスが目を覆う。

「これは一体…?」リリスが驚きの声を上げた。

光が収まると、全員が動物の姿に変わっている。

「にゃ…にゃんてこった!?」ユキは自分の声が猫の鳴き声に変わっていることに驚いた。

「ワン…何が起こったんだ?」エドは尻尾を見てさらに驚く。

「コケッ!?なんで俺が鶏に!?これは絶対に夢だ!」クリスは自分の姿を見てパニックに陥った。

「冷静に…冷静に…どうやって元に戻るか考えないと。」ロンはペンギンの姿でよちよち歩きながら冷静を保とうとしたが、滑って転んでしまった。

森の中の訓練場は大混乱に陥った。ユキ(猫)は高い場所に飛び乗り、降りられなくなってしまう。

「ちょっと、助けて!降りられない!」ユキはしっぽをピンと立ててバランスを取ろうと必死だった。

「待ってろ、ユキ!今すぐ…あれ?どうやって登ればいいんだ?」エド(犬)はウロウロしながら考え込む。

「コケッ!?なんで俺が卵を産んでるんだ!?」クリス(鶏)は卵を見てさらにパニックになった。

「落ち着け、クリス!逃げるなって!」ロン(ペンギン)はペンギンの姿でよちよち歩きながらクリスを追いかける。

「ガオー!なんだかすごい力が湧いてくる…でも制御が難しい!」リリス(ライオン)は家の中で物を壊してしまう。

「リリス、落ち着いて!壊しちゃダメだってば!」マッシュ(ウサギ)はピョンピョン跳ねながらリリスをなだめる。

***

ユキ(猫)はふと気づくと、近くに本当の猫が歩いている。

「にゃんだ、君も猫かい?」本当の猫が話しかけてきた。

「え!?話せるの?」ユキが驚いて返すと、その猫は微笑んだ。

「もちろん。君たち、見かけない顔だね。ここで何をしているんだい?」本当の猫が尋ねる。

「実は…」ユキは簡単に事情を説明した。

他の動物たちも、それぞれ本当の動物と出会い、会話を始める。

エド(犬)は他の犬たちと一緒に走り回りながら話していた。「お前、変わった匂いがするな。どこから来たんだ?」と聞かれる。

「まあ、ちょっとした魔法の事故でね。」エドが苦笑いしながら答える。

クリス(鶏)は他の鶏たちに囲まれていた。「あんた、変わった鶏だね。卵産むの、初めてかい?」と聞かれる。

「うん…まあ、こんなことになるとは思ってもみなかったよ。」クリスがため息をつく。

ロン(ペンギン)は近くの池でペンギンたちと話していた。「泳ぐのは得意か?」と聞かれる。

「いや、実はそんなに…」ロンが照れながら答える。

リリス(ライオン)は他のライオンたちと力比べをしていた。「強いな、お前。」と褒められている。

「ありがとう。でも、もう少し制御ができればね。」リリスが笑いながら言う。

マッシュ(ウサギ)は他のウサギたちと一緒に草を食べていた。「君、どこから来たの?」と聞かれる。

「ちょっと遠くから。君たちの草、美味しいね。」マッシュがにっこり笑う。

***

村の図書館にたどり着いたユキたちは、マッシュ(ウサギ)が入れないことに気づく。

「これは困ったな…マッシュ、このままじゃ図書館に入れないよ。」ユキが困惑した声で言う。

「そうだね、ウサギの姿じゃドアを開けることもできないし…」マッシュはため息をついた。

「何か方法を考えないと。」エドが真剣な表情で言った。

「うーん、他の動物たちに協力を頼んでみたらどうかな?」エレン(白鳥)が提案した。

「なるほど、それはいい考えだ。猫の友達がいるから、彼らに頼んでみるよ。」ユキが頷いた。

ユキは近くにいる猫たちに事情を説明し、協力を依頼する。

「分かったよ。僕たちが図書館の中に入って、本を持ってくるよ。」猫たちが協力を約束した。

猫たちの協力を得て、マッシュたちは図書館の外で待つことにした。

「これでなんとかなるといいけど…」ユキが不安そうに言った。

「大丈夫、きっと上手くいくさ。」エドが励ました。

***

突然、図書館の近くで悪党たちが騒ぎを起こしているのに気づく。

悪党たちは村の広場で、コミカルに悪さをしようとしていた。

まず、リーダー格の悪党が村の市場でリンゴを盗もうとする。彼は素早くリンゴを手に取るが、足元に転がっていたバナナの皮に気づかず、豪快に滑って転んでしまった。リンゴは宙を舞い、彼の頭に直撃した。

「こ、こんなはずじゃ…」彼はふらふらしながら立ち上がった。

次に、別の悪党が村人の洗濯物を盗んで旗のように掲げようとした。だが、突然の風が吹き、その洗濯物が顔に絡みついて視界を奪った。

「うわっ、助けてくれ!」彼は洗濯物を取ろうと必死になったが、バランスを崩して転んでしまった。

さらに、悪党の一人が子供たちの持っている風船を割ろうとした。彼は手を振り上げて風船に狙いを定めたが、手元が狂って自分の顔に風船をぶつけてしまった。風船が割れて彼の顔が真っ赤になった。

「痛っ!な、なんでこうなるんだ…」彼は泣きそうな顔でつぶやいた。

最後に、リーダー格の悪党が村人たちの帽子を奪って馬にかぶせるといういたずらを思いついた。彼は帽子を持って馬に近づいたが、馬が突然驚いて暴れ出し、彼を追い回し始めた。

「助けてー!」悪党は必死に逃げ回ったが、馬は彼を追いかけ続けた。

「見ろ、あそこに悪党たちがいるぞ!」ロン(ペンギン)が叫ぶ。

「このまま放っておくわけにはいかない。行こう、みんな!」ユキ(猫)が決意を示す。

ユキたちは動物のまま、悪党たちをやっつけることに決めた。そして、動物の友達に助けを求める。

エド(犬)は他の犬たちに声をかける。「みんな、悪党たちを追い払おう!」

クリス(鶏)は他の鶏たちに卵を集めるように頼む。「みんなで卵を投げて、悪党たちの視界を奪おう!」

ロン(ペンギン)は池のペンギンたちに協力を呼びかける。「一緒に滑って、悪党たちの足元をすくおう!」

リリス(ライオン)は他のライオンたちに力を合わせるように提案する。「一緒に威嚇して、悪党たちを恐れさせよう!」

マッシュ(ウサギ)は他のウサギたちに素早く動くように呼びかける。「みんなで悪党たちの注意を散らそう!」

エレン(白鳥)は空から鳥たちに協力を求める。「一緒に急降下して、悪党たちの持ち物を奪おう!」

悪党たちは動物たちの連携に混乱し、次々と倒されていくが村の人たちもいきなり沢山の動物たちが集まるものだから、悲鳴をあげて逃げ回っていた。

エド(犬)が他の犬たちと一緒に吠えて悪党たちを追いかけ回すと、悪党たちは恐怖で逃げ惑い、池に落ちる。

クリス(鶏)が他の鶏たちと一緒に卵を投げると、悪党たちは卵にまみれて視界を失い、ぶつかり合う。

ロン(ペンギン)が他のペンギンたちと滑って悪党たちの足元をすくうと、悪党たちは転んで地面に転がり、泥まみれになる。

リリス(ライオン)が他のライオンたちと威嚇の咆哮を上げると、悪党たちは恐怖で震え上がり、動けなくなる。

マッシュ(ウサギ)が他のウサギたちと素早く動き回り、悪党たちの注意を散らすと、悪党たちは方向感覚を失い、互いにぶつかり合う。

エレン(白鳥)が他の鳥たちと急降下して悪党たちの持ち物を奪い去ると、悪党たちは混乱して何もできなくなる。

「やったぞ、みんな!これで悪党たちは片付いた。」ユキ(猫)が喜びの声を上げた。

「動物のままでも、やれるもんだな。」エド(犬)が笑った。

***

悪党をやっつけたユキたちは、動物のままで傭兵に報告しに行くことにした。

「さあ、傭兵たちに報告しよう!」ユキ(猫)が決意を示す。

傭兵たちが集まる宿舎にたどり着くと、ユキたちはどうやって伝えるかを考え始めた。

「言葉が通じないから、どうやって説明しよう?」エレン(白鳥)が心配そうに言った。

「仕方ない、身振り手振りで伝えるしかない!」エド(犬)が提案した。

ユキ(猫)は、まず傭兵たちの前で悪党たちが悪さをしている様子を演じ始めた。彼は悪党の真似をして、リンゴを盗む仕草を見せるが、足元のバナナの皮で滑って転ぶ。

「わかった、次は僕だ!」クリス(鶏)は卵を産む仕草をしながら、洗濯物を掲げる真似をする。しかし、風で飛ばされて顔に絡みつく。

ロン(ペンギン)は、風船を割ろうとする仕草を見せるが、手元が狂って自分の顔にぶつけてしまう。

リリス(ライオン)は、帽子を奪って馬にかぶせる真似をする。しかし、馬が驚いて暴れ出し、自分が追い回される様子を演じた。

マッシュ(ウサギ)は、他のウサギたちと一緒に素早く動き回り、悪党たちの注意を散らす仕草を見せる。

エレン(白鳥)は、空から急降下して悪党たちの持ち物を奪い去る真似をした。

傭兵たちは最初は困惑していたが、次第にユキたちが何を伝えようとしているのかを理解?し始めた。

「なるほど、動物たちが悪党をやっつけたんだな!」一人の傭兵が理解して声を上げた。

「すごいじゃないか!ありがとう、動物たち!」別の傭兵が感謝の言葉をかけた。

「やった、伝わった!」ユキ(猫)が喜びの声を上げた。

「これで安心だね。」エド(犬)が微笑んだ。

***

図書館に入った猫たちは、魔法の本を探し始める。

「どこかに解呪の方法が書いてあるはず…あった!これだ!」猫たちが本を見つけて持ち帰ってきた。

「ありがとう!これで解呪の方法が分かるね。」マッシュが喜びの声を上げた。

「空を飛びながら見つけた光る石…あれが解呪の儀式に必要なものかもしれない。」エレンが言った。

「みんな、この方法を試してみよう。解呪の材料を集めるんだ!」ユキが指示を出す。

ユキたちは特定の材料を集めて解呪の儀式を行うことを決意した。

「みんな、これが最後のチャンスだ。頑張ろう!」ユキが力強く言った。

「任せておいて、ユキ!この石を持ち上げるのは俺の仕事だ!」グレッグが大きな石を持ち上げる。

全員が協力して材料を集め、儀式を成功させた。

「呪文を唱えるよ…みんな、準備はいい?」ユキが確認した。

「うん!」全員が声を揃えた。

再び光が彼らを包み、元の姿に戻った。

村の広場で、ユキたちは笑いながら今回の経験を振り返った。

「やっと元に戻れたね。でも、これはこれで楽しかったかも。」ユキが笑顔で言った。

「次に試したい魔法があるんだけど」とユキが言うと

「勘弁してくれ!」と全員が逃げて行った。


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