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小説 本好きゆめの冒険譚 第七十六頁

 ギリシャ正教会 宝物殿

「司祭様、いらっしゃいますか?」
 薄暗い中でランプを持って探し回っているのは副司祭である。

 司祭が居ることを確認した副司祭は「こちらにいらっしゃいましたか?何をされていたのですか?」
「アァ ナニモ モンダイ ナイ」
 と言い、副司祭の頭に手をやり、飲み込んだ。

「ヤット アエルナ ユメ・・・」

「司祭」は宝物殿を後にした。

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 ゆめは図書館にいた。

 家に居てもつまらないからである。

 ママと同じレシピで食事を作っても、美味しくない…。

 たまに友達を連れてきては、食事を振る舞う。この時だけ美味しい。

「やっぱり、食事はみんなと笑いながら食べるのが、一番美味しいのよね〜」と言いながら、コンビニのサンドウィッチを食べる。

 ゆめは医学書をどんどんと吸収していった。アポロンの加護により難しい文献でも、簡単に理解出来て面白いように読み進む。「本の虫」になっていた。
 その成果なのか、学力も学校でトップ、将来有望の秀才とまで言われるようになった。

 夜、家に帰り一人で食事。

「あの時は楽しかったな・・・」と昔に思いを馳せながら、味のしない食事を済ませた。

 毎日のようにパパと見ていたが、今やたまにしか見ないテレビ・・・。

「久しぶりにテレビでも見るか・・・」

 リモコンのスイッチを入れる。
 テレビから流れるニュースは「ギリシャで謎の行方不明者が続出している。」と言う内容のもので、

「ふ〜ん。」

 私には関係のない話と画面を見ていた。

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「何もない空間」。


「マズイな。」

 ゼウスが眉間にシワを寄せている。

「このままでは、人間達が消えてしまうわね。」

 ヘーラーが、唇を噛みながら呟いた。

「この事件の首謀者は「ダイモーン」のせいなのは、確定したと思っとる。アヤツ封印をといたか…。」

 悪魔「ダイモーン」。悪魔の上位者である。

 実は悪魔ダイモーンも元々は神の一人、ゼウスの盟友であったのだが、人々の嫉妬・怒り・憎悪を受け止めているうちに、神々の存在意義に疑問を持ち、闇に落ちた。そんなに醜い感情を抱く人間は全て消してしまった方が人間にとって幸せなのではないか?と考えたのである。
 そして神々に半期を翻し、「落ちた神=悪魔」というレッテルを貼られ、戦いとなり封印された経緯がある。
 一番人に近く、良き隣人の存在だったが故に現実世界に干渉が出来る存在でもある。

 その悪魔が、世に放たれた!どうしたものか・・・。

 神々は現実世界に干渉出来ない・・・。

 ゼウスは厳しい決断をする事になる・・・。


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