北の伏魔殿 ケースⅠ-⑨

○論理的思考力のない職員の行為

 私は、若い頃から仕事をしてきたという自負がある。その中で、合理化にも努めることで、残業は減らし、政策立案に注力することができるようになった。しかし、パワハラ行為をするような職員は、そもそも仕事をしないし、できない。他人に余計な手間暇をかけさせ、不法行為を行い、他人を貶めることしか興味がない。

 県直営事務所化の業務が本格化する中で、私に対するパワハラは、激しさを増してきた。課長は、「私を団体から戻す」と言ったが、M係長は、「定数の問題で、海外事務所の二人は戻せるが、私一人だけは戻せない」と言う。
 ところが、課に欠員ができるとわかると、今度は「やらせる仕事がある」と言い始めた。しかし、私の仕事は海外事務所の支援業務であり、事務所が直営化されれば、当然、仕事などない。
 このため、B主査に「やる仕事はないんだけど」と言うと、「一度決めたことは二度と言うな」と切り捨てるように言われた。

 彼女は、私より1歳年下で旧帝国大学出身であり、方や私は高卒初級である。しかし、係長経験は、私は3ヶ所、8年目を迎え、彼女は事務所とここで2ヶ所、3年目の経験しかない。そんな中で、私に自分の過ちを責任転嫁し、私がそのことに気づいていることさえ、想像もできていない。
 しかも、彼女が出張を11月にしろといった気遣いのない話にしても彼女たちの立場を考えて黙っていたし、彼女の無知からくる不正行為も誰にも話していない。

 全ての原因は彼女にあるにもかかわらず、私にこのような態度とるとは、
驚いたが、彼女の仕事に対する知識やキャパを考えれば、当然と言えば当然なのかもしれない。

 M係長が補正予算で私を一人だけ残す要求をしたところ、財政課から当たり前だが「(私に)やらせる仕事なんかないだろう」と言われたとB主査から修正した補正予算要求書を見せられた。
 その中には、私の業務として記載されていたのは、既に終了している業務や補助金を切らないとできない業務ばかりだったので「こんなにやる仕事があるのかい」とB主査に聞くと、私の顔もみることができず、何も言うことさえできない。しかし、誤解とはいえ、余計な手間ひまかけて税金を使って報復するとは能力のなさに驚いた。私は不要な仕事はしたくもないし、背任行為にあたるような犯罪も犯したくはないが、それを平気で行う人間が人事課に在籍していたことがあるとは、別に優秀だから人事課に配置されていたわけではないようだ。

 私が彼の立場で、「出張を11月と言われ、それが不満で報復のために不足もしない予算を不足すると言っている」という話を聞きつけたなら、まず、本人を呼んで事情を聞く。そこで私の積算資料を読めば、「誤解だったね」ですんだ話だった。仮に私が何かしているのだったら、経緯を文書にまとめて、上司に報告する。
 つまり、彼にはまともな情報の把握、分析や調整能力、判断能力がないということである。しかし、県内では有力私大出身で県庁内最大派閥であるため、学閥を利用したパワハラは、ケースIIでも行われ、どうやらその学閥の特性らしいこともわかってきた。

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