北の伏魔殿 ケースⅠ-⑦
○想像力が不足している職員の自分本位な思い込み
8月の知事訪問団の現地訪問に向けて、本庁担当課では準備が進められており、それに併せて、団体から現地事務所から要望のあった物品を購入し、本庁担者者に携行してもらう打ち合わせをB主査としていた。
すると、予算の話をしているとB主査は、突然私を睨み付け、11月と整理したはずの現地出張について、「知事訪問団で行ってもらわなければなりませんから!」とヤクザが言うような口ぶりで、私にはとても本当に行って欲しいと思っているようには聞こえなかった。
恐らく、現地事務所のM主査が憶測で私のことを言いふらしたことが、耳にはいったせいだろうが、そのきっかけは、彼女が私に、責任転嫁したことから始まっているのに、そんなことさえ気づいていない。彼女が現地にいた時に、経理事務を土日も出勤して処理していたと聞いたが、事務所から送られてきた処理内容を見ると、せいぜい1日で処理できるものであり、事務所直営化を前任者にやれと言ったり、事務所に節約するように言ったりと彼女の職務遂行能力にかなり疑問符がつくようになった。
彼女が私に責任転嫁したということに証拠はなく、まだ、私の推測であるので、「私に責任転嫁しただろう」などということを言って、もし違っていたら大変なことになるので、私は、黙っていた。しかし、一方、当該課の職員の大半は、M主査の憶測を事実だと受け止めていたようだが、証拠もないことをよくそんなに単純に信用できるものだなと少し哀れに思えてきた。
○激しくなる私への非難
8月の知事訪問団でM係長に現地事務所から要望のあったプリンターを携行してもらった。精密機器なので、運搬中に破損しないように厳重に梱包したのだが、所長から「梱包の問題で税金を徴収されそうになったが、M係長の気転で支払わずに済んだが、あなたの段取りが悪い 」と言われた。
きっと、破損したらしたで、私の梱包が悪いと言うつもりだろうが、今後の物品送付で同じ過ちを犯したくないので、B主査に「所長からそう言われたが、梱包の仕方がどう悪かったのか」と電話で聞くと、突然「所長のことが嫌いなんだ」と大声で言った。そんなことを大声で言えば、課内の職員に聞かれて、私が本当に所長のことが嫌いだと思っていると思われるだろう。
私も、いよいよ彼女に対する不信感が高まってきた。
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