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もう忘れた高校時代
高校を卒業して3ヶ月が経った。全日制を1年で辞めたことを卒業するまでずーーーーーっと引きずっていたし、通信制は2年間辞めるタイミングを見失っていただけで、こんなところ辞めてやると思っていた。でも、卒業してちょっとしたら全日制での未練も通信制への恨みツラミもかなり忘れた。
残念な卒業式だった。母にもそう言われた。悲しい。前に立つ人は皆揃って先人から借りてきた言葉しか言わず、初めて見る議員か何かにはキラキラした目で「自殺だけは、しないでくださいネッ❣️」みたいなことを言われて思わず心の中で鼻で笑った。
特定されたくなかったので伏せてきたが、私の通っていた通信制高校は全日制と校舎を共用していた。通信制は誰でも入れるが、全日制はこの辺では有数の進学校だった。基本行事ごとは別々だったが、卒業式だけ何故か合同だった。有名大学が決まっているであろう秀才集団と派手髪ティアラのコントラストが激しい。
全日制の人は胸にピンクの造花をつけていて、ギャルが先生に「あたしらの花はないのー?」と聞いたら、笑いながら自分で買えと言われていて私まで傷ついた。
式のあとの写真撮影もしれっと行われて母がそれに気づかず写真を撮り逃したり、その後通信制だけで行われた個人への卒業証書授与も、私が保護者も行っていいと知らなかったので母を呼びそびれたりしてグダグダだった。
かなり全日制優位の卒業式で最後まで不愉快だった。ギャップが酷いのでどちらかに話を寄せると違和感が出てくるのは当然っちゃ当然だと思う。絶対にまとめてやるべきではない。
そういえば、卒業アルバムというものはなかった。あったとしても最後のページは空白だっただろう。
反応の悪い人相手に自分から絡みに行くのが段々しんどくなってきて、転校して数ヶ月で今連絡先を交換している人以外とは無理に会話しないと決めてしまっていた。
卒業アルバムはなかったが、高校から定期的に出る機関誌は渡された。そこに先生からの一言メッセージのようなものがたくさん連なっていたが、見事に全員がどっかから拾ってきた名言やことわざを書いていて、コイツら魂売ったんだなと思った。
卒業生は学校の同窓会集団に入る努力義務のようなものがあって式の日に確か5000円くらい請求されるのだが、粗品でもらったペンもチョコもそこから出ているのか、でも正直いらんし返してほしいなら返しますよと思い支払いを拒否したら担任に驚きながら苦笑いされた。そんなことをしたのは多分私だけだったと思う。その後の同窓会入会式はとりあえずそこにいなさいと言われ銅像ごっこをした。残念ながら私は母校の存続を願ってはいない。母校はシステム的におそらく夜間定時制を上回るほどの時代遅れの極みである。
高校での出来事自体は事実として断片的に覚えているが、そこに執念のようなものはなくなった。少しだけ元気になってやりたい行動ができるようになってきたことで、今を生きるのが上手くなった。いつになったら忘れられるんだとずっと思っていたが、ようやくである。それと同時に少しでも嫌な思いをした状況(時間、場所など)をトラウマ扱いして嫌って地雷がどんどん増えゆく人生とも訣別できた気がした。