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SSoM-82 Ryuichi Sakamoto “Opus”
坂本龍一の最後のピアノソロコンサートを描いた映画Opusは、少なからず坂本龍一の音楽を聴いてきた僕にとって、観るのが辛いものだった。彼がこの世から去ったことを知っていたからだ。
ピアノを弾く動きは、すべてが美しく目を離せなかった。自曲に対して選ばれる和音は、これぞ坂本龍一という音色だった。彼の音楽には包まれてはいたけれど、音楽を味わうどころではなかった。
アルバムがリリースされ、しばらくして、やっと聴き始めたのが、今回紹介する、
Opus
Qobuzではダウンロード販売となっており、サンプルだけ聴ける。
Qobuz →
50年にわたる輝かしいキャリアの中から、教授自身が選んだ20曲、ゆっくりとしたテンポ、注意深く選ばれる和声、生まれる音からは畏怖を感じぜずにはいられなかった。後世に残る辞世の句、何度も聴きかえすことになった。
映画Opus のトレーラー
戦場のメリークリスマス
音楽として向き合えるようになって、ようやく自分が、膨大な過去の渦の中にいることに気がついた。具体的な事象を思い浮かべるわけではないけれど、瞬時に生成されていく過去に押し出されて現時点を生きている感覚だった。
そんな中2001年、インタビューをするためNYCの教授の事務所を訪ねたことを急に思い出した。教授は、小学生の頃、僕が育った同じ地区に居て同じ時間帯を過ごしていた。それを喜んでくれたのだった。
インタビューの内容は「ポストITは日本が勝つ! トップランナー7人の提言」アスキー(2001/10/1)。