![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172492577/rectangle_large_type_2_89d4f99bea89260ce41e55475aac31cc.jpg?width=1200)
SSoM-86 Messiaen “Turangalîla Symphonie”
超絶技巧のピアニストYuja Wang の新譜は聴くようにしているのだが、そこで出会ったのが、Olivier Messiaen 作曲の Turangalîla 交響曲だ。
第二次世界大戦後の1946年から1949年に作曲され、初演は1949年12月2日、指揮は Leonard Bernstein、オケは Boston Symphony だった。今回のアルバムも Boston Symphony 、75年後の2024年4月のレコーディングだ。
1928年発明の Ondes Martenot (オンド・マルトノ)が使われており、交響曲に初めて電子楽器を取り入れた曲とされている。10楽章、演奏時間70〜80分、現在では、20世紀の代表的な交響曲と評されている。
Turangalîla Symphonie
Qobuzでは、24bit/96KHz配信。
このアルバムで特筆すべきはYuja Wongの鋭いタッチを強調した煌びやかなピアノの音だ。この音に絡んでくるオンド・マルトノの無階調に飛び交う音が、現在ではレトロフィーチャー的なサウンドに聞こえる。最新のデジタルレコーディングらしい音質だ。
2016年1月10日の動画があった。指揮 Gustavo Dudamel、オケは、Sinfónica Simón Bolíbar de Venezuela、場所は Philharmonie Luxembourg だ。オンド・マルトノの演奏法がよく見える。大編成のオケの中Yuja Wangが熱演している。
この交響曲が完成してから3/4世紀、現代において、Turangalîla交響曲の10楽章から、それぞれ何を感じるか、たぶん作曲者の意図とは大きく異なるように思う。その時代時代で新たな解釈を生みながらも、演奏し続けられ、100年200年と残って行くものが本物ということになるのだろう。
僕は、まるで手がかりの無い異なる時空に投げ出されたようだ。しかし、ここにも命が舞い踊り、愛と怒りが無数に蠢くことは感じられる。