20代中盤の私の「結婚像」と、「ないものねだり」の、しがらみ
私が初めて結婚している男女を見たのはいつだっただろうか
産まれてすぐ、自分の両親と、祖父母であったと思う。
それ以降、何組もの結婚している異性を見てきたし、
幼少期から親戚の結婚式には参加してきた。
幼稚園の先生の結婚式にも、生徒として参加した記憶がある。
それほど、私にとって、結婚は身近なものだった。
いつかは自分もするものだと、方々から言われていたし、
私自身もそれを信じていた。
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私が初めて結婚している女性と女性を見たのはいつだっただろうか
それは「結婚」ではなかったかもしれないが、
20歳の時に参加したヨーロッパを巡るバスツアーで一緒だった
オーストラリア人のカップルが最初だった。
ナンパしてきた男たちに、指輪を見せて「I'm married!」と叫んでいた姿と、疲れた日に相手の膝に寝転んで甘えていた姿を覚えている。
少なくとも彼女らは、家族だった。
20年間、私は、日本でこの目で大人の、同性カップルをみたことがなかった。
それほど、私にとって、男性以外との結婚は縁遠いものだった。
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2013年、ディズニーリゾートで同性同士結婚式をあげたカップルがいた。
そのニュースが私にとってどれほどの衝撃だっただろうか。
当時その場に参列した友人が今は多くいるが、当時はひとりもいなかった。
それほどまでに「遠く」での出来事だった。
ネットに飛び交う「美人だから許す」とか「もったいない」とかいう言葉にいちいち傷ついた。
でも、とても素敵だ、と思った。
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17歳、高校生のとき
病院の前で生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて記念撮影をする男女をみた
瞬間、私のなかに「うらやましい」という気持ちがわいた
当時の私は「子どもがほしい」という感情はなく、
「子ども好き」とのたまう女子には苦手意識すらある女子高生で、
自分のなかにわいた感情を「子どもがほしい」なのかと読み取り、混乱した
なぜだかとっても泣きそうになったのだ。
今振り返るとそれは、「ないものねだり」だったのかもしれないと思う。
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今、現在
異性と結婚式をあげる友人も増えた
Facebookでの結婚報告はひっきりなしにくるような年齢になった。
そしてその中には、海外からの同性カップルとの結婚報告も、たまにある。
結婚=素晴らしいもの でも
結婚=手放しで素敵なもの でもないことは今はもうわかっている。
でも、なぜか、同じような結婚報告のなかでも
同性カップルの幸せそうに微笑む写真を見ると私は涙が出てしまう
なぜなんだろう
まだまだ私にとって同性カップルの結婚が縁遠いからなのか
それが「本当に」私のしたいこと、だからなのか、
彼らが乗り越えてきた壁が異性カップルより多く
それを想像して泣けているからなのか、
なんでなのかがわからない。
ただ、高校時代に見た赤ちゃんを抱く男女カップルを見たときと
同じような感情と涙が出てくることが多いのだ。
「ないものねだり」なのかなあ…
異性同士の結婚式では、完全に友人目線で「おめでとう」としか思わない。
自分を重ね合わせて感動する、なんてことがない。
でも、たぶん、同性同士の結婚式は「うらやましいなあ」の入った
「素敵だなあ」を感じるんだと思う。不思議なものだ。
まだまだ珍しいからなのか、深層心理の影響なのか、
それはさっぱりわからない。
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ただただ、「結婚」を考えると
自分のなかに幼少期から刷り込まれた「男女」のイメージに辟易し、
自分がどうしたいのかわからなくなる
「お嫁さん」になりたい、と思ったこと、そういえば一度もなかったな
どちらかというと、綺麗にした自分のパートナーが見てみたいな、
そんな妄想をするものの相手はいないし、
そもそも「式」にこだわる時代でもないし、
相手の性別もまだわからないし、するかもわからないし、
わからないことだらけのはずなのに、
刷り込みだらけのイメージで
小さいころ思い描いてしまった「将来の自分」とか「幸せな家庭」像を
ふと思い出して殺される。
そういったことがまだまだ定期的にあるのが
つらいなあと思ったりする、20代中盤なのでした。
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でも私はこういう「しんどい」気持ちは自分のなかの刷り込みと、
それによるしがらみが引き起こしていることを知っていて
それから脱するために
もっともっといろんな家族の形がみたいし
いろんなオトナと出会いたいし
とにかくいろんな人と出会いたい
はやくはやく 刷り込みの幸せから逃れたい
そう思っている時間すらもったいないけど、
もう少し長いお付き合いにはなりそうで
なんて滑稽な人生なのか、と思いつつも、もがくぞ。おー。
いろーんなしあわせがあっていいのにね~~~~
それを早く知りたかったし他者の口からききたかったしこれからも聞きたいよ~~
だからせめて私は口にします。
いまのままでも十分しあわせ。ほんとだよ。
次回につづく