『スプラトゥーン3 ダイレクト』をみたイチ海外プレイヤーの感想(特にXマッチについての北米経由の情報多数)
先日、『スプラトゥーン3 ダイレクト』が放送されました。
細かい内容のまとめなどは他のブログやニュース記事に任せることにしたいと思います。
この記事では、北米リージョンでプレイするイチ海外プレイヤーが、発表された内容、主にランクマッチのあり方についてどのようなことを読み取ったか、感じたかについてつらつらと述べてみたいと思います。あくまで個人の感想であることにご注意ください。したがって、「海外」と表記されていても、北米リージョンの非常に狭い範囲の地理的な要因を含む複合的な状況にはなると思います。ただ、他のリージョンの方などをみても海外スプラ環境には日本では発生していない問題があると思います。
スプラトゥーン2において私の実力や置かれている環境などについては以下の記事を参照ください。
スプラトゥーン2で海外環境が置かれている状況
上記のnoteの記事をはじめとして、長くスプラトゥーン2をプレイしてきて私が感じている海外環境の問題点は以下の3つになると思います。主に日本を参照点と考えた場合のことになります。
(1) ウデマエと内部レートの関係の問題
ウデマエS+までは相対評価です。ある時期までは、飛び級に必要なレートが100程度日本の方が上だったこともあるくらい、日本と海外では実力差があることが知られています。一方、ウデマエXは絶対評価であり、どうもその基準が日本にあわせてあるように感じます。このように、相対評価と絶対評価の接続に「失敗」していることからくるシステムの問題点があると感じています。
次の点とも関連しますが、このような状況では、ようやくXになっても海外勢は日本勢に歯が立たず、また負けのストレス(これはスプラでは特に強調されるようになっています)に耐えられないためにランクマッチから退却するようになるのも致し方ないことでしょう。
(2) 地理的要因やプレイヤー人口の少なさによる問題
海外、広いです。北米といっても東海岸から西海岸、そしてハワイまで、とても広い。当然ネットワーク的な距離も遠くなりますから、ラグや回線落ちが頻発することになりますので、ゲーム体験としてはよくありません。インクが出てないのにキルされたり、敵が瞬間移動して自分のインクが当たらなかったりというのは日常茶飯事ですし。
(1)でも述べましたが、このようなゲーム体験が損なわれた状態でのランクマッチは非常にストレスがたまるものです。したがって、プレイヤー人口は減少します。そうすると、「同じくらいの強さのプレイヤーで戦う」という前提が崩れはじめますよね。最初の頃はレートの分布がプラスマイナス50くらいだったのが、プラスマイナス100になり、200になり、と。そうなると、スキルの差が開きすぎるために一方的な試合展開になったりしますので、さらに面白くない。そしてプレイヤーはランクマッチからは撤退する、と見事な負のスパイラルの完成です。挙げ句の果てには、マッチングして試合が始まることが珍しくなってしまうという欧州のような状況もあります。
(3) 完全に国際化されてなくて日本限定のものが多過ぎる
これはちょっと僻みも入りますが、スプラトゥーン2は世界展開していますが、たとえば日本版と北米版ではセーブデータに互換性がありません。しかも、ローカライズにも制限があり、日本版を購入すると日本語のみ、北米版を購入すると(おそらく英語のみ)になります。これはいろんな人にマイナスだと思います。
また、ギアも日本限定のものは多数あるのですが、これは北米版のソフトではアクティベートできません。コロコロコミック限定ギアの際に涙を流しました。
ランクマッチからは少し離れますが、フェスのテーマや時間帯も異なります。
日本が優遇されすぎているという問題は、海外プレイヤーの心を折る割と大きい要素なのではないかと思います。
スプラトゥーン3で「対策」されたとおもわれる変化
では、これまで発表されたスプラトゥーン3の中身からは、どのような変化が期待されるのでしょうか。任天堂の公式サイトにある情報を元にみていきたいと思います。
同様の北米版サイトはさらにおもしろいので、こちらの紹介中心かもしれません。
バンカラマッチの導入
これまでの「ガチマッチ」は「バンカラマッチ(チャレンジ)」と「バンカラマッチ(オープン)」になりました。これは相対評価になり、また、レートと言うよりはポイントをためるものになり、シーズン中の降格がなくなるため、ストレスの軽減が期待されると思います。これはまあ海外も日本も一緒ですね。ウデマエが落ちるストレスが大きな問題でしたので。評価の連帯責任についても、「表彰」というのがあるらしく、個人の貢献での評価がされるので改善傾向にあると思います。ありがとうございます。
ただ、バンカラマッチの考察については、わたし以外の識者の方々が多く語っていると思われますので、そちらを参照するのがよいでしょう。
Xマッチの導入
アップデートで「Xマッチ」なるものが導入されると予告されました。おそらく、Xマッチがスプラ2までのガチマッチのようなもの、そしてウデマエXそのものになるのだと思います。
XマッチはS+0以上で参加可能なようなので、日本基準のXにしてはヘタクソでもXから降格することはなくなりました。これで(1)の問題からくるストレスはだいぶ緩和されると思います。とはいえ、全然勝てなくて辛くはなるでしょうが、そんなときはバンカラマッチにいけば、さらにストレスが緩和された環境ということですから、受容可能なストレスレベルに応じて遊べるようになったというのはすばらしいですね。これまではガチマッチ一本しかなかったわけで。
Xマッチの詳細は、まだ明らかになっていないのですが、北米版のサイトに興味深いことが書いてありますので紹介したいともいます。
・計測
まず、計測は5試合になります。
・リージョン
リージョンは「アジア・オーストラリア・ニュージーランド」と「北米・欧州」の2つ。各プレイヤーは3ヶ月のシーズンごとに最初の試合に参加する前にリージョンを選択することになる、そして、トップ500(王冠プレイヤー)はリージョンごとになるということです。
これは非常に興味深いです。さすがに任天堂も状況には気づいていたと思われますね。まさに混ぜるな危険。
欧州や北米のトッププレイヤーはそこにいる限りはむちゃくちゃ弱い北米・欧州勢としかマッチングしなかったわけで、「実力が近い」が上位でも成立してなかったのですが、敢えて日本リージョンを選択することで、ネットワークの安定性があれば欧米のトッププレイヤーが日本の人達と競うことが出来るようになったわけです。欧州トッププレイヤーのKiver氏も「西欧ロビーから『永久に』抜け出せるぜー」と興奮しておりました。
また「オレも海外に行けばワンチャン上位にいけるのでは」などという甘ったれた(個人の感想です)発言をしている人が北米を選択して、海外勢のアツい立ち回りを目の当たりに3ヶ月過ごすことも可能なわけです。楽しみですね。
これは(2)の状況を著しく改善するのではないかと思います。上手いプレイヤーもそうじゃないプレイヤーもどっちも(少しは)幸せになれそうです。
・マッチング
Xバトルでは、リージョン、時間帯、ブキの構成によってマッチング時間が少し長くかかることがあるとされています。つまり、Xバトルではこれまでよりも編成を細かくコントロールするようになるのだと考えられます。編成事故とされる状況が非常に多く、上位を狙うプレイヤーをはじめとして嘆きの声が多く聞こえていたので、これはよいことなのでしょう。そのため、マッチング時間に試し打ちしたりと新しい要素が追加されたのもあるのではないでしょうか。
コンテンツの国際化の状況についての懸念
発表内容だけからも、どうやら(1)と(2)は改善の兆しがあることがわかりました。では、(3)についてはどうでしょう。こちらは正直なところ、少し不安があります。
・前夜祭の時間帯
前夜祭が発表されました。
こちら、日本時間の2022年8月28日9時から21時の開催です。
一方北米では太平洋時間2022年8月27日9時から21時の開催です。
欧州では中央ヨーロッパ夏時間2022年8月27日10時から22時まで。
前夜祭では、前半の6時間と後半の6時間でモードが変わるようなので、これら3つは交わらない可能性が非常に高いです。ランクマッチではリージョンは混ぜるなとは思いますが、フェスは統一してほしいんですよね。私はスプラトゥーン3は日本版をダウンロード購入しようと考えているので、どうなるのかちょっと不安です。北米版も無料だから前夜祭だけダウンロードするかしら、、、
・セーブデータボーナス
「『スプラトゥーン2』のセーブデータがある場合、ゲームを始めるときに特典を受け取ることができる」とのことです。
ランクと関係なく好きなブキと交換することができる「ゴールドブキチライセンス」を3枚もらえます。
ランクと関係なく最初から「バンカラマッチ」に参加することができます。
『スプラトゥーン2』での「ウデマエ」によって、最初のウデマエが少しだけ高い状態からはじまります。
はじめから実力に近い相手と対戦しやすくなります。
私はスプラトゥーン2は北米版なのですが、スプラトゥーン3は日本版を購入するつもりですが、この特典が受けられるのかは結構疑問です。限定ギアなどの話ではないので、まあ最初からやるかというのでいいのですが、世界中どこでも互換性があるようにしてもらえるとうれしいんですよね。
・多言語化
なんとなく、スプラトゥーン3でもリージョンや国ごとにソフトに互換性がない可能性がありそうなのですが、多言語化についてはどうなんでしょうか。スプラトゥーンはセリフなどもおもしろいので、英語力がそこまでではない私は日本語で楽しみたかったのですが、スプラトゥーン2は英語のみだったので、だいぶ損したなあという感じはしています。英語版のサイトを見ると、多言語化されているようなので、そこは心配ないのかもしれません。
とりあえずパッと思いつく海外勢特有の話としてはこんなものかとおもいます。またなにか思い出したら追記します。いろいろ呪詛を吐いてきたのが微量でも伝わった結果として少しでも改善に向かったのであれば、本当にうれしいです(たぶんそんなことはないんでしょうけどね)。
まずは前夜祭、そして発売を楽しみにしたいと思います。
(追記: 2022年8月12日)
こちらに書いた、北米のサイトのことやKiver氏の発言については、スプラ友のたにぃさんに教えていただきました。どうもありがとうございます。
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