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『ガールズバンドクライ』最終回【感想】

こんばんは。しがない文字書きの双瀬ふたせ桔梗ききょうです。 

今年の四月にスタートした春アニメの中で、一番ハマったアニメ『ガールズバンドクライ』も先日、とうとう最終回を迎えました。

正直に言うと、八話十一話が良過ぎて(好き過ぎて)、最終回は少し物足りなさを感じました。だがしかし! 急にお客さんが増えるなんて露骨なご都合主義展開はなく、尚且つ爽やかで綺麗な終わり方だったので、素敵な最終回だったとは思います。

なので今回は、三つの項目に分けて最終回の感想を語ります


仁菜とヒナ、どちらが正しいのか?

まず最初に結論から言うと、どちらも正しいし、間違ってない。各々の考え方や立場などによって、正しい方が変わるだけの話だと、自分は考えている。

いじめられている子を助けた子が、次のいじめの標的に……この手の話は昔からよく聞く。だからこそヒナは傍観を選び、いじめられている子を助けに行こうとする仁菜を止めた
ヒナの場合は、歌手になるという夢がある為、余計に首を突っ込みたくなかったのではないだろうか。

波風立てずに上手く生きていく為には、助けない方が賢い選択だとは思うし、そういう面ではある意味ヒナの行動は正しい。けれども、いじめを放っておけずに助けに行く仁菜だって当然、間違っていない。
むしろ、それが間違っているなんて、おかしな世の中だ。

ただ、多くの人はヒナと同じ方を選択するのではないだろうかとも考えた。かくいう自分も理想を言えば、仁菜の方がより正しいと言いたいし、何より彼女の事を温かくて素敵な人だと思う。
けれど、実際に自分が仁菜のように行動できるかと問われれば、胸を張って頷く事はできない。中高生の頃なら尚更。

だからこそ、自分を貫ける仁菜はカッコイイと思うし、憧れの存在でもある。そもそも間違っているのは、いじめっ子達だ。あと仲直り()の握手をさせようとした校長

上手く生きたいのであればヒナが、自分らしく生きたい(自分の正義を貫きたい)のなら仁菜が正しい。ただ、それだけの違いであり、どちらも間違ってはいない。そう思いたい。

ヒナは仁菜の事が好き?

ヒナに関しては明確な心理描写などがない為、今までの描写を参考に、全て想像(妄想)で書きます。

この項目も結論から言うと、ヒナは仁菜の事を嫌いと見せかけて、大好きだと思う。

最終話の回想シーンでヒナは、「正義のトゲを〜」や「周りを傷つけて〜」などと言って、仁菜を責めている。また、三浦さんが頼み込んで来た事を教え、仁菜に“自分が間違っていた”といい加減、認めるよう言ってきた。

仁菜視点で見ると、ヒナは仁菜が嫌いだから、こんな事を言うのだと考える。が……後者に関しては露骨過ぎて、視聴者からすれば、わざと煽っているようにしか見えない。
べーっと舌を出すなんてあからさま過ぎて余程、鈍感な視聴者でない限り、仁菜に発破をかけていると分かるだろう。更に、仁菜が去った後の穏やかな(優しげな?)微笑みで、答え合わせ完了である。
わざわざ天井にまで張り紙をして、手の込んだ煽り(からかい?)をするのも、ライブを見に来るのも仁菜の事が好きでないとしないと思う。

また前者に関しては、自分にはできない事をやってのける仁菜に対する、劣等感からくる発言なのでないかと思う。もしくは、いじめられてる子を助けなかった自分が悪者になるではないかと、罪悪感のようなものに苛まれての言葉だったのではないだろうか。
同時に、「自分が間違っているように~」と言った事から、自分の正義を貫ける仁菜が眩しいとか……もしかすると、少し憧れもあったかもしれない。だからこそ、すばるが言っていたように、簡単には折れてはほしくなくて、仁菜を煽ったのだと思った。

そしてずっと気になっていた、ダイダスのボーカルになった件についても言いたい。ヒナ本人は、“わざとダイダスのボーカルに納まった訳じゃない”的な事を言ってたけど、別に他のオーディションでもよかった訳で……わざわざダイダスを選んだ明確な理由を答えよ、と言いたくなった。

ライブのMCの途中で、ダイダスの曲は二人(仁菜とヒナ)の思い出だと、仁菜はハッと気がついた。だからヒナ自身もダイダスが好きで、それでオーディションを受けたってだけの可能性もある。だけど、“仁菜と一緒に聴いていたから”ってのもあると思う。
だから仮に、仁菜が他のバンドA(仮)を好きになっていたら、そっちを好きになっていたのではないだろうか。そんで、そのバンドA(仮)が新ボーカルを募集してたら、ダイダスよりそっちのオーディションを優先していたような気がする。

それゆえに、ヒナから仁菜への特大感情がある可能性を、個人的にはまだ捨てきれない。絶交して離れてても、私は仁菜の一番の理解者くらい思ってそうだと考えている。

好きだったシーンとトゲトゲの事

トゲトゲが早くも事務所を辞めた事には案外、驚かなかった。むしろ、彼女達らしいとすら思えた。

最終話で個人的に一番好きだったのは、仁菜がこたつの上で泣きながらギターを弾くシーン。正直、初見(リアタイ視聴)では仁菜の涙にもらい泣きしてしまい、視界が滲んでまともにこのシーンを見れなかった。

なので、録画で改めて見た時に、少し「ん……?」となった。こたつの上の仁菜を呆れながら見るすばると智、少し困ったような顔のルパまではまぁ、メンバーからすればこの反応になるよなぁと納得。
むしろ、何か明らかに一人だけ反応(温度?)が全く違う桃香に首を傾げた。正直、なんだその惚れ直したみたいな顔……ホント、仁菜の事が大好き過ぎるなと思った。

次に好きだったのは、智が仁菜は間違ってると言った後に、だから好きになったと言っていたシーン。間違ってると言いつつも、その選択ができる仁菜を好きになった=智なりの肯定だと解釈できる言葉だし、すごく好きだった。
その後、仁菜に抱きつかれてわちゃわちゃやってる二人を、抱きしめるルパを見て、更に愛おしさを感じた。

ライブ衣装に関しても気になる事が一つ。最初は、相変わらず全員バラバラの衣装だなぁくらいにしか思ってなかったけど、じっくり桃香を見て驚いた。ダイダスがアイドル路線になった時に(回想で)身に着けていた衣装だったので。
これは桃香なりの宣戦布告なのか、完全に吹っ切れた証明なのか……真意は分からないけど、あの衣装を着ている事がなんだかうれしかった。

新曲『運命の華』を一回目に聴いた時は今までの曲調と結構、違っていたので正直、戸惑った。だけど、何度も聴いている内に、明るくて爽やかな感じが、未来への希望が持てて良い曲だなと思うようになった。

そしてこれはあくまで想像だけど、曲調をガラッと変えたのは『インディーズ時代からの一部のファンが離れていった事への説得力を持たせる為』的な、制作側の狙いがあったんじゃないかなぁと思った。また、曲を通して桃香の心情の変化も表現したかったのかな、とも。
あと、歌詞をじっくり見てシンプルに、桃香の仁菜達への愛が強いと、改めて思った。

最後に

Cパートがなかったのは意外だったものの、エンディングの映像がエピローグ代わりなのだと解釈しました。

トゲトゲの理解者と言える三浦さん、出番が少ないながらも印象を残していった中田さん。「ガールズバンドのノリ嫌い」と言っていたのに、最終回で脱退Tシャツを着てライブに来ていたお兄さんなど、サブキャラやモブキャラ達も魅力的な作品だったと思います。

全話面白くて、楽しくてあっという間の三ヶ月でした。
素敵な作品をありがとうございました!の気持ちでいっぱいです。

それでは今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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