【ボカロ】Who?/Azari 歌詞考察
Azariとは
2021年の6月に「Casino」という曲でボカロデビューを果たしたAzariさん。
YouTubeチャンネル名は空白になっていて、ダークで中毒性の高い楽曲は一気に拡散されていきました。
そして、2022年8月に投稿された「Who?」は、繰り返されるメロディと不安定な音作りが魅力的な一曲です。
最近はこの楽曲の歌ってみたなど、カバー動画も増えてきています。
とくに意味深な歌詞が気になったので、深堀りをしてみました。あくまでも、個人的解釈なので一つの感じ方として楽しんでいただければと思います。
楽曲のテーマとは
まず、この楽曲は「いじめ(もしくは、なんらかの罪)の事実を隠すことへの罪悪感」をテーマにしているのではないかと思いました。
その理由を歌詞を追いながら説明していきます。
Azariさんの楽曲では初めての歌愛ユキを使用した歌い出し。
動画では、学生服を着た女の子が真っ白な空間で、風を受けている様子が映し出されています。
そして、「言葉の始末」と「早々に」という言い回しから、約束に対して責任感を感じている。あるいは、早く自分の発言を片づけてしまいたい。という焦燥の感情が見受けられます。
次に、「泳いだ目線」と「神様も嫌う」、それから「堂々と、ね」の3つの関係性です。
一般的に「泳いだ目線」は、何か嘘をついているときの表現として使います。さらに、「神様も嫌う」が続くことで、嘘をついていると神様に嫌われる。そんな風に読み取ることができます。
一方で、「堂々と、ね」の繰り返しにより、嘘を隠す自分を落ち着かせているようにも、見えてきます。
言い換えれば、嘘をついていることが神様にバレないように堂々としよう。そんな風に聞こえてきます。
見え隠れする後悔
「話せない」「知らない」「何もしてない」のワード。まるで、誰かに問い詰められているような受け答えです。
嘘がバレないように堂々とあろうとする。ひとつ前の歌詞とどこかリンクしますね。
「戻れない」「悪くない」「何もしてない」今度はこの3つが印象的になりました。2度と戻れないと強調することで、歌詞に後悔の様子が見えてきます。
さらに、「誰も悪くない」や、「君も/誰も何もしてない」の言い回しから、ひたすらに自分/他者に罪はないと言い聞かせているようにも見えます。
現実から目を背けたいのかもしれません。
夕方にやってくる何か
それでは「沈む足を見ながら」と「燃える部屋」は、何を表しているのでしょうか。
これはおそらく、夕方を表現している気がします。
夕陽が差し込み燃えているような部屋で、伸びていく影(沈む足)を見ている。ということでしょうか。
ここで曲は、一層ダークな雰囲気へと変化します。
「Knock」の部分には扉を叩くようなサウンドが入っていたりと、確かに「誰か」がいます。
しかし、歌詞にあるようにこれが誰なのかはわかっていません。
誰なのか分からないけれど、何かが「また」扉の前にやってくる。ここから、一度ではないことが分かりますね。
何度も繰り返される「この頭から離れない」というメロディー。頭から離れないのは、扉を「Knock」する音でしょうか。
細胞が覚えている「あの時の歌」
「あの時の歌」とあるように、ここでまた過去に思考を巡らせています。「あの時」とはどんな時だったのでしょうか。
「細胞」単位で記憶している歌。この人物にとって、忘れられない歌であることは間違いなさそうです。
ここでもう一度、「話さない」「知らない」「何もしてない」という言い回しが登場します。
加えて、忘れられないあの歌を「Lalalalalala」と口ずさむように最後に添えられています。
細胞単位で「忘れられない歌」は、これまで「話さない/知らない/何もしてない」としてきた事実と何か関わりがあるのでしょうか。
最後に「また誰かが」やってきてドアを「Knock」しています。
そして「この頭から離れない」と3度繰り返し、曲は終わりを迎えます。
ダークな雰囲気を加速させている「頭から離れない」が指しているのは、ただの「Knock」の音だけでしょうか。
これまでの歌詞から感じられた、「焦燥感」や「隠したい事実」、部屋にやってくる「誰か」
この3つから、部屋に中にいる人物は「Knock」をしている「誰か」を実は知っている。
あるいは、見当がついていてその「誰か」の存在が頭から離れなくなっている。そう考えることもできる気がしました。
「誰か」の正体
いかがでしたでしょうか。全体の考察をまとめてみると、以下の要素が感じられました。
・「交わした約束」への責任感
・「神様」に嫌われることへの恐怖
・「二度と戻れない」過去への後悔
・「Knock」をしてくる存在
そして、気になるのは、これまで3人の女の子が踊る様子が流れていましたが、動画の0:56や1:29には、2人と1人に分けているかのように不自然な距離ができています。
もしかすると、彼女は何かと距離をとりたいのかもしれません。
つまり、いじめなど、傷つけた相手に対する後悔や隠している罪への恐怖から、夕方にやってくる「誰か」を生み出しているのかもしれませんね。
あくまでも、一つの解釈に過ぎませんが、色々な見方ができそうな楽曲でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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