井上尚之さん楕円皿と山口和声さんの小皿

【五月の器 スリップウェア「井上尚之さんの楕円皿」と「山口和声さんの小皿」】

ゴールデンウィーク二日目。

前日の飲み明けにもかかわらず、一人わくわくしながら、中目黒に足を運ぶ休日。

中目黒にある「SML」で毎年恒例のGW企画「ゴールデンスリップウェア展」が始まっていました。

どーしても「スリップウェア」の器が欲しくて堪らない気分だったのでナイスタイミングでした。

店頭には、スリップウェアの大きな鉢に植物が生けられていました。
その大きさと綺麗さに感動…



お店はこんな感じ。

中に入ると宝の山のようにスリップウェア(以下スリップと略)が並んでいて、どれから手に取ってみていいか、アタフタ…

大きなリュックを前に背負い直し、店内を一人で右往左往していると、

「お荷物椅子のところにおいて大丈夫ですよ」

と店員さんに声をけてもらい、ゆっくり見ることができましたw

恐らく20分くらい一人で悩み続け、店員さんと相談し、買った今月の器がヘッダー写真に写る二枚。

まず、器の説明の前に、簡単に「スリップウェア」の説明をしましょう!

スリップウェアってなーに?
~簡単に説明のコーナー~
スリップウェアとは技法の名前。
主にヨーロッパを中心とした世界各地でみられる、スポイトに化粧土を吸わせてから、器の表面に文様を描く技法。
模様は作り手の数だけあるが、連続する幾何学的なものが多いと思います。マーブル模様みたいだったり、ティアドロップの連続、細かい縞模様を描いた後に櫛のような道具でさらに線を引いたりします。

結構奥深いので作り方を調べてみると面白いと思います。


ではでは本題の今月の器についてのお話!
左の器は「井上尚之さんの楕円皿」
右の器は「山口和声(かずな)さんの小皿」
の二つを購入しました!


井上尚之さんは熊本県を代表する「小代焼 ふもと窯」の職人さん。
尚之さんの父、井上泰秋さんはこの道40年以上の職人で「ふもと窯」を開き、今では熊本国際民藝館の館長も務められています。

小代焼=スリップウェアではないんですが、
尚之さんが、父泰秋さんから「ふもと窯」を継ぐまでの間、いろいろな器づくりをやってみたいという活動の中で「スリップウェア」の製作も行っています。

今回の展示で、尚之さんのスリップが目まくるしいほど、たくさん揃っていて、選ぶのが大変でした。
形も様々なものを作られていて、「こりゃ形から決めにゃ、終わらん!」と脳内会議の判断が下り、まだうちにはない「楕円皿」を選ぶことに。

楕円皿に目を運び、見てみてると、一枚一枚、柄が違う…
しかもどれもいい柄…
三枚くらいほしいけど、予算オーバーになるし、かといって二枚も結構痛手…ああ…一枚だけ、一枚だけ…ああーーーどの一枚にすれば…
と二枚候補を挙げ、それを店員さんのもとへ持っていき、
「お姉さんならどっちかいます?」
と、はた迷惑な相談を始めてしまいましたw

で、上記の写真のモノを購入。
黒茶と白のコントラストがとても素敵なのと、白いオタマジャクシのような柄が可愛く、料理を盛らなくても「かわいい」と眺めていられるなとw

そして今回、詳しく紹介できなかった、
小代焼について知りたい人は調べてみてください!

とても渋く感じると思いますが、特別に配合された灰釉の打ち掛けの力強さは「ふもと窯」ならではです!


そして、二枚目の作者さん…

山口和声さんは、三重県出身で、鳥取県の岩井窯で修行されたのちに、
三重県伊勢市にて独立されています。

今回、心惹かれたポイント、スリップではなかなか見ない…
「白」と「淡いベージュ」の配色。

スリップというと…
「飴色」「茶」「黒」の三色が王道の色なのですが…
「白」と「ベージュ」のスリップは中々なく、珍しいと言ってもいいかもしれません。

「色」の珍しさで目を惹かれるのは確かにあるのですが、それ以上に感じる
器から伝わる、「優しさ」!

今までいろいろな器をみてきて、「豪快さ」「楽しさ」「素朴さ」「力強さ」「繊細さ」「可憐さ」などを感じて器選びをしていたのですが、
山口さんの器には「優しさ」をとても感じるんです。
確かに、色が他のスリップと違うことで個性が出るんですけど、それを上回り感じさせない「優しさ」が詰まっている、気がするんです。


ということで今月はこの器を使って、料理していきたいと思います!
最後まで閲覧頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!

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