LEICA M10-Pをお迎えして約半年が経ちました
フィルムカメラのLEICA MP 0.72のサブ機として導入したLEICA M10-Pをお迎えして約半年が経ちました。ほぼ毎日、この二台は持ち歩いています。サブ機のつもりでしたが、いざ使ってみると、フィルムと異なりランニングコストが無いため、ほぼメイン機として活躍しています。
LEICA M10-Pの最も気に入っているところは、デジタルカメラとして極めてピュアな存在であるところです。外観はフィルムM型とほぼ同じスリムな形状に進化、赤バッチが無くあっさりしたデザインでシャッターは静音設計、2400万画素という取り回しの良い画素数。そしてニュートラルな描写。全てにおいて、絶妙なバランスが取れています。デジタルM型の完成形と言っても過言ではありません。
デジタルM型を購入するとき、M10 Monochromも候補に挙がり迷いましたが、 MPはほとんどモノクロームフィルムを使っているので、デジタル機はカラーにしました。結果として、これは正解だったと思います。
シャッターの感触はフィルム機であるMPとは違うものの、併用しても違和感の無いレベルです。数ヶ月だけM Typ240を使いましたが、このシャッターフィーリングはフィルム機とは別物です。もちろん、それは悪くは無いのですが、フィルム機とのハイブリット運用においてはフィーリングが近しい方が望ましいと思います。
バッテリーの寿命は明らかにM Typ240よりも短くなりましたが、ビゾフレックスを使わず、ライブビューの使用も時々なので、ほとんどレンジファインダーの撮影です。そのためバッテリーをあまり消費しません。おかげで、バッテリー容量での不満はありません。がっつり撮影する時は、念のため予備を持っていきます。
ライブビューはほとんど使いませんが、あれば便利なことに間違い無いです。例えば、水たまりの反射を使った構図は、濡れた地面に寝転がれないので、ライブビューを使った撮影になります。このようなデジタルならではの恩恵もありがたいです。
M10からISOダイヤルが物理ダイヤルになりました。M3、M2、MPのフィルム巻き戻しノブを模したデザインで、これもフィルム機と併用すると、ついついニヤニヤしてしまうデザインの妙です。しかし、初期のM10-Pは、このダイヤルが非常に硬く操作感が悪いです。今は、この物理ダイヤルをM(マニュアル)にセットし、背面モニターでISOの設定を変えています。これは唯一残念なポイントです。
サムホイールが使いやすいです。最近はISOをオートに設定しているので、露出補正を使う機会が多くなっています。そのため、この露出補正を行うサムホイールの存在は大切です。
もう一つ、不満なところを挙げれば、スリープからの立ち上がりが遅い事です。感覚的には2秒くらいでしょうか。この短い時間で、シャッターチャンスを逃す時があります。
レンズはスチールリム復刻版(Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue-)との組み合わせが最高です。スチールリム復刻版を入手するまで、Summicron-M 35mm F2 ASPHがM10-Pの常用レンズでした。とてもよく描写しますが、どこかしっくりしませんでした。私は隅から隅までしっかりと解像する描写するよりも、味わいのあるゆるい描写が好みなので、スチールリム復刻版はそれを絶妙に描写してくれるので気に入っています。M10-Pのニュートラルな描写に、いい感じのスパイスを与えてくれる存在です。スチールリム復刻版のみならず、オールドレンズとの相性はとても良いと思います。
この半年間の感想を簡単にまとめると、LEICA M10-Pは最もフィルムM型に近い存在で、それが私にとって心地よく毎日使う相棒になっています。これからも、一緒に毎日を楽しんでいきたいです。