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ナッシュビルを、6つのスタイルでストリートスナップ<まとめ>

家族が日本に一時帰国したので、週末の空き時間を有意義に使うため、テネシー州ナッシュビルまで遊びに行きました。ナッシュビルに行くのは初めてでしたが、ここはロサンゼルスやサンフランシスコ、ニューヨークなど日本人に馴染みのある都市とは全く違った魅力がありました。ミュージックとカウボーイを街のシンボルとして、お酒を堪能できる大人のディズニーランドと言っても過言ではありません。そして、ここにいる人たちの多くは酔っ払っていて気分が盛り上がっているので、ストリートスナップするには最高の環境です。この街をすっかり気に入り、家族がいないことをいいことに3回通ってしまいました。
ストリートスナップは、LEICA M10-PとMP 0.72の2台体制で、6つのスタイルで撮影を楽しみました。それを振り返ってみたいと思います。


1:LEICA M10-P + スチールリム復刻版

フィルムカメラをメインに使っていると、例えオートフォーカスや手ぶれ補正などブルジョアな機能が無くても、デジタルカメラの便利さを実感します。その場で撮影結果を確認することができるだけでは無く、ISOを自由に変更できるのは本当にありがたい。
ズミルックス 35mm スチールリム復刻版は、開放や逆光での描写が優しくて自分が求めるイメージに合っています。特にデジタルカメラにフィルムライクな味付けをしてくれるのがお気にり。M10-Pの標準レンズとなっています。最近はあえてフードを装着せず、積極的にフレアを入れています。

2:FOMAPAN 400 Action

Summicron-M 35mm F2 ASPH
Summicron-M 35mm F2 ASPH

最近、FOMAPAN 400をメインに使っています。価格高騰が著しいKODAK Tri-Xに対してFOMAPAN 400はお財布に優しいので、ILFORD HP5+と同様にKODAK Tri-Xの代替えとして候補に挙げて良いフィルムだと思います。適度な粒状感とニュートラルでクセがない描写は汎用性があり、自然な姿を切り取るストリートスナップには向いています。FOMAPAN 400は、ILFORD HP5+よりも若干コントラストが高いように感じました。繊細な表現を求める場合は、ILFORD HP5+をお勧めします。
ズミクロン 35mm F2 ASPHの解像感ある描写は、ズミルックとは違い安心感・信頼感があります。

3:FOMAPAN 400 Action + 増感現像

Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue-
Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue-

POMAPAN 400 Actionを2段増感してISO1600で撮影しました。夜のストリートスナップでは、ISO感度が高いとシャッタースピードが稼げるので助かります。ただし、ISO1600といってもLEICA MP 0.72には手ぶれ補正もオートフォーカスも無いので、ミラーレスデジタルカメラのような気軽さはありません。油断すると、ブレブレの写真を増産してしまいます。
粒状感が増しますが、それが返ってドラマチックでリアリティを演出してくれています。夕方からのストリートスナップでは、ISO1600は最適解かもしれません。FOMAPAN 400のハイコントラストな描写が、印象を強くしています。

4:FOMAPAN 400 Action + フラッシュ

Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue-
Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue-

小型フラッシュを導入して、ナッシュビルでストリートスナップを試してみました。結果としては、動感のある生き生きした描写になりました。多くの巨匠たちが、フラッシュを使ったストリートスナップを好む理由が理解できました。これはクセになりそうです。しかし、フラッシュは攻撃的なアプローチなので、被写体とのコミュニケーションは重要になります。これを怠ると、トラブルに発展しかねません。ナッシュビルでは、みなさん酔っ払っているので声がけすれば大体快諾してくれます。物怖じせず声を掛けるのが良いでしょう。慎重かつ大胆な姿勢で、フラッシュを使ったストリートスナップを楽しみたいと思います。フラッシュを購入して大正解でした。

5:CineStill 400D

Voigtlander Nokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II SC
Summicron-M 35mm F2 ASPH

今の私は、CineStill 400Dは最もお気に入りのカラーフィルムです。このフィルムは、ハレーションが赤く滲む独特な描写をするので、この光は赤く滲むかな、と想像しながら撮影を楽しんでいます。
シネマチックな描写、かつ70年代、80年代のアメリカのような色彩表現なので、歴史あるナッシュビルの街を撮るのに最適なフィルムだと感じました。この時代の活気あるミュージックシーンを写真を通して感じることが出来ます。
この独特な表現は麻薬のような中毒性があります。普通のカラーフィルムに戻れるのか心配です。この中毒性にハマらないためにも、新しくリリースされたFUJIFILM 400 Color Negative Filmを買ってみようと思います。

6:CineStill 800T + 増感現像

Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue-
Summilux-M 35/f1.4 Steel Rim -reissue-

CineStill 800Tは、ナッシュビルで初めて使いました。しかもいきなり2段増感のISO3200です。タングステンフィルムだけあって、400Dより青味がかった描写が、何とも言えない世界観を出しています。
最初の一枚目には、赤い光線が映り込んでいます。調べてみるとこの現象は頻繁にあるようで、どうやら静電気の影響らしいです。静電気の発生を抑えるために、ゆっくりフィルムを巻き上げることを勧めていますが、LEICA MP 0.72はノブで巻き上げるので自ずとゆっくりです。それでも赤い光線現象が発生しました。ただ、この赤い光線は嫌いではありません。むしろフィルムならではのアクシデントで、これも作品の一部と捉えています。

以上、ナッシュビルを6つのスタイルでストリートスナップを楽しみました。フィルムカメラは、フィルムの種類や増感現像、レンズ、フラッシュ撮影など、組み合わせは無限で様々な描写を楽しめます。それだけに現像した時の感動は大きいです。もちろん、LEICA M10-Pのおかげで、その場で撮影結果を楽しめました。デジタルとフィルムの2台体制は、贅沢の極みです。

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