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LEICA M (Type240)とアポズミのインプレッション

初めてのライカM型デジタルカメラは、非常に興味深いものでした。まず慣れるため絞り優先オートで撮影しました。露出や撮影枚数を気にせずバシバシとライカM型のシャッターを切れるのは、フィルムのM型を使っている私には新鮮な体験です。シャッター音はLEICA MP 0.72に比べると少し大きめの音ですが、それが気持ち良いリズムを作ってくれます。

ブライトフレームの照明が、自然採光からLED照明に切り換えられており非常に見やすいです。そのLEDの光が、デジタルカメラであることを実感させられます。それだけではなく、外観デザインとして自然採光窓が無くなり、軍艦部のロゴを省いたり、「M」とアルファベットひとつだけにするなどミニマルなデザインを極限まで追求していることから、M9までのフィルム時代から継承してきたクラシカル路線から次世代を見据えた現代的な路線にシフトしたのではないでしょうか。ただ、M10では若干クラシカルなテイストが戻っていることから、多くのファンがライカM型に求めているのはM3から脈々と受け継がれてきた伝統ということだった事を再認識したかも知れません。その意味において、LEICA M Type240は新しい路線を模索したライカ社の意欲作だと感じます。

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まずは出勤前に、いくつか写真を撮ってみました。普段ISO400のフィルムで撮影しているので、その露出感覚と合わせたいため設定をISO400に固定しました。

アポズミの描写はキレキレというよりも、普通の風景を普通に切り取る自然体の絵になっていました。朝の光を柔らかく描写しています。しかし、ちゃんと解像されておりボケも綺麗で、さすがアポズミ(APO-SUMMICRON-M 50mm F2.0 ASPH.)という写りです。

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次に仕事が終わった午後に撮影してみました。夏時間なので、まだ陽は高いです。今度は、フルマニュアルでの撮影です。内臓露出計は、LEICA MP 0.72と同様にファインダー内に▶︎ ● ◀︎の赤いマークで表示されるので、操作性に全く違和感はありません。

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アポズミの描写は、肩の力を抜いた自然体でありつつ、きめ細やかな描写をしてくれる凄いレンズという印象を持ちました。

Voigtlander Nokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II SCでも撮影してみました。こちらも素晴らしいクオリティでした。アポズミの自然体な描写に対して、切れ味のある現代的な描写と感じました。アポズミの1/10の価格にも関わらずこのクオリティならば、とてもコスパの良いレンズだと改めて思います。LEICA M Type240は2400万画素ですが、LEICA M10-RとかM10 Monochromなど4000万画素を超える高画素の撮像素子を搭載したモデルになると、アポズミの卓越した描写性能を十分に発揮しNoktonとの差が出てくると予想されます。

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Voigtlander Nokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II SCは、モノクロームフィルムでしか撮っていませんでしたが、デジタルのカラーでも素晴らしい描写をしてくれるのに感動しました。余談ですが、Adobe Lightroom Classicのレンズプロファイルに、このレンズがちゃんと登録されていました。

スクリーンショット 2021-08-27 8.42.23

次は、LEICA MP 0.72にアポズミを装着して、フィルムでの描写を見てみたいと思います。

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