ウィッシュボーンチェアを4年間使ってみた感想
CH24 ウィッシュボーンチェア、通称Yチェアを買って4年経過しました。最初、妻がデザインを気に入って二脚買いました。そのとき私は、届くまで何の椅子を買ったのか知りませんでした。届いてびっくり、ウィッシュボーンチェアでした。この椅子は、1950年に発売されたデンマークの家具デザイナー、ハンス J ウェグナーの名作です。
ただ、妻はこの椅子に対する知識を持たず、純粋にデザインだけで選んだため、正規品ではなく安いジェネリック品でした。もう二脚追加する時に、娘が生まれたばかりだったので、彼女の誕生記念として正規品にしようと私が提案して購入しました。
そのため、正規品とジェネリック品が二脚づつあります。調べたところ、製造元のCARL HANSEN & SON社が立体商標登録を取得しているので、ジェネリック品は売れないはずなのに何故か購入できました。今でも堂々と$200くらいで販売しています。オリジナルは$800以上するので大きな価格差がありますね。
ダークブラウンがジェネリック品で、明るいオークカラーが正規品です。見た目は殆ど同じですが、並べると微妙に違います。
前足の角度が、ジェネリック品はほぼ垂直で、正規品は角度が付いています。正規品の方が安定感のあるデザインです。ジェネリック品の脚は、床を突き刺す痛々しい感じで、見た目の心地よさを若干欠いています。
手すりの角度も異なります。ジェネリック品よりも正規品の方が角度がついています。手すりに腕を乗せると正規品の方が心地が良い感じがします。
脚の裏も異なります。ジェネリック品はプラスチックの床傷つき防止が付いています。これは親切設計ですが、造りが粗雑です。正規品は綺麗な造形で温もりを感じさせます。脚の裏が違うのは、使っていて実感できません。
座面は紙紐をよって仕上げたペーパーコードを職人が手で張っています。仕上げの質はやはり正規品の方が丁寧に仕上がっています。
いちばんの違いは、シリアルプレートです。正規品は、製造元のCARL HANSEN & SONのシリアルプレートが付いています。ジェネリック品は、当然何もありません。
座面のペーパーコードは15年~20年程度経過したら張り替えるようです。普段は専用クッションを使うことで、座面のダメージを軽減し、さらに座り心地をよくしています。おかげで、娘が粗雑に扱っていいますが大きなダメージはありません。
ハンス J ウェグナーは、中国の椅子をモチーフにデザインをしました。そのアジアンテイストなデザインは、日本人にとっても生活に馴染むデザインになっています。個人的な感覚ですが、正規品に$800を出す価値のあるクオリティだと思います。もし、今後買い足すならば、間違いなく正規品を選びます。
さて、ウィッシュボーンチェアの「ウィッシュボーン」は、チキンやターキーなど鳥の首の後ろの二股に分かれた叉骨(さこつ)の事です。感謝祭でターキを食べると、必ずウィッシュボーンを取り出します。この写真は、数年前の感謝祭で友人宅に招かれたときに頂いた立派なターキーです。
で、これがその時に取り出したウィッシュボーンです。確かに、ウィッシュボーンチェアの背もたれのデザインに似ています。「wish」の意味は願い事です。この骨の突端を持ってお互いに願いをかけながら引っ張り合い、骨が折れて手元に長い方が残った人の願いが叶うとロマンチックな言い伝えがあります。
ちなみに、車の高性能サスペンション「ダブルウイッシュボーン」は、ウィッシュボーンの形に似たA字型のアームが上下2組であることから、そう呼ばれています。
これからも、娘の雑な扱いに気を付けながら大切に使い、将来は娘に引継ぎたいです。