『Edgewood』 写真集プロジェクト - 3 (完成)
3年半にわたり撮影を続けたEdgewood AVEの集大成として、プライベート写真集を制作するプロジェクトを進めていましたが、ついに印刷会社から100冊が納品されました。初めての写真集が完成し、感慨深く非常に興奮しています。当初の予定では昨年中に完成する見込みでしたが、用紙選定に時間を要しました。本当は土門拳の写真集『筑豊のこどもたち』を参考にして、新聞紙のようなザラ紙を使用したかったのですが、冊子にした際にページの仕上がりに難があることが判明。そこで、代替案として薄めの用紙の用紙を選び、印刷に至りました。結果としては、満足いく仕上がりになったと思います。
写真集を手に取った瞬間、その重さから作品としての存在感やこれまでの努力が詰まっているのを感じました。一枚一枚の写真が織りなすストーリーの重みを、まさに「手で感じる」体験です。新しい印刷物から漂うインクや紙の香りもまた、出来たての作品のフレッシュさを感じさせてくれて、まるで写真集そのものが生きているような気さえします。ページをめくるときの紙の質感や、かすかな音もデジタルでは味わえない魅力です。写真を「見る」だけじゃなく、作品そのものを「体験する」楽しさこそ、写真集作りの醍醐味だと思います。
カラー写真はデジタルのLEICA M10-P、モノクローム写真はフィルムのLEICA MP 0.72で撮影しましたが、この組み合わせが程よいコントラストを生み出し、自分が求めていた世界観をうまく表現できたと思います。本当はカラーフィルムのCineStill 400Dで撮影した写真も加えたかったのですが、ここは思い切って我慢したのが正解でした。
まずは、自分が作った写真集をEdgewood AVEの人たちに届けたいと思っています。彼らの存在が、この写真集を作る大きなモチベーションになったからです。喜んでもらえたら嬉しいですね。