アポ・ズミクロン50mmをチェックしてみた - 1
お借りしているAPO-SUMMICRON-M 50 mm F2 ASPHをもっと深く知りたいということで、LEICA M(2400万画素)、LEICA MP 0.72(フィルム)、そしてCANON EOS R6(2000万画素)を使って比較を試みました。また、折角なので約1/10の価格のVoigtlander Nokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II SCとも比較してみました。
アポ・ズミクロンは、見た目が普通のレンズで全くオーラが出ていません。羊の皮を被った狼という事でしょうか。そういうところも、このレンズの魅力かも知れません。ミニマルなLEICA M Type240のデザインに似合っています。
ノクトンは、クラシカルな筐体デザインとブラックペイントが独特な佇まいを演出しています。こちらは、フィルムカメラのLEICA MP 0.72 ブラックペイントに似合っています。同じM型カメラでも、それぞれ持っている雰囲気が違うことを改めて感じました。
今回は、LEICA M(2400万画素)とCANON EOS R6(2000万画素)の比較です。両方ともISO400固定でJPEG撮って出しです。
彩りとディテール表現
LEICA M Type240 + APO-SUMMICRON-M 50 mm F2 ASPH (f8 1/500)
CANON EOS R6 + APO-SUMMICRON-M 50 mm F2 ASPH (f8 1/500)
まずは、カラフルでディテールの多い被写体で比べてみました。LEICA M Type240で撮影した写真のデータサイズは14MBでした。noteの仕様で10MB以上のファイルはアップロードできないので、データサイズを9.7MBに落としました。そのため、シャドウ部がオリジナルデータに対して若干濁ってしまいました。R6のデータサイズは7.7MBなのでサイズ変更はしていません。
オリジナルデータ同士て比較すると、明らかにLEICA M Type240の方がディテールが解像しておりシャープでした。色乗りもLEICA M Type240の方が良いです。ただ、色に関しては好みの問題でしょう。個人的には、アポ・ズミクロンの解像性能を引き出しているLEICA M Type240の勝ちでした。やはり画素数が大きいのと、相性の良い純正レンズとの組み合わせが有利だったと思います。
LEICA M Type240 + Voigtlander Nokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II SC (f8 1/500)
今度はノクトンです。まず、アポ・ズミクロンと比較して若干画角が広いです。また、アポ・ズミクロンのデータが14MBなのに、ノクトンは10MBでした。4MBの情報量の差があります。これはレンズによる解像性能の差なのでしょうか?キャンパスに描かれたペイントは両方とも綺麗に描写していますが、タイヤの素材表現においてアポ・ズミクロンの方がしっかり描写しています。
背景ボケ
LEICA M Type240 + APO-SUMMICRON-M 50 mm F2 ASPH (f5.6 1/500)
CANON EOS R6 + APO-SUMMICRON-M 50 mm F2 ASPH (f5.6 1/500)
次は逆光気味のカットで背景ボケを撮ってみました。同じ条件ですが、こちらもR6の方が明るいですね。LEICA M Type240の写真は、ピントが若干奥の方に外れてしまいました。ビンの底のエンボス文字にピントが合っています。微妙なピントの合わせはミラーレス一眼の方が有利でした。この写真では、明るさと色味は若干異なるものの、解像感など描写の品質に関わるさは感じられませんでした。
LEICA M Type240 + Voigtlander Nokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II SC (f5.6 1/500)
そしてノクトンです。背景のボケに差がありました。アポ・ズミクロンの方がソフトで優しい印象です。玉ボケに関しては、両方とも綺麗な円形を描いていますが、絞り羽根枚数でアポ・ズミクロンの11枚に対してノクトンは12枚と1枚多いだけあって円がより滑らかです。
奥行き感
LEICA M Type240 + APO-SUMMICRON-M 50 mm F2 ASPH (f2 1/30)
CANON EOS R6 + APO-SUMMICRON-M 50 mm F2 ASPH (f2 1/30)
次は開放での比較です。ピントは真ん中のブッシュ元大統領に合わせました。これまでと同じく、明るさと色味に違いますね。絞り開放での描写の差はあまり感じられませんでした。
LEICA M Type240 + Voigtlander Nokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical II SC (f2 1/30)
ノクトンのf2での比較です。やはりアポ・ズミクロンよりも画角が広いですね。LEICA M Type240は、三脚に固定しレンズだけ変えているので明確に差が分かります。ボケの部分は、アポ・ズミクロンの方が優しく表現されているように感じます。
感想
LEICA M Type240とEOS R6でアポ・ズミクロンの描写を比較すると、LEICA M Type240の方が性能を引き出していると感じました。それは、画素数が大きいのと、純正レンズというのが大きいと思います。とくに情報量の多い被写体(色やテクスチャ)では差がハッキリと出てきます。4500万画素のEOS R5ならば、結果は違ったかもしれません。
一方、ノクトンとアポ・ズミクロンとの差に関しては、同じく情報量の多い被写体では、アポズミの解像力が高く素晴らしい描写だと感じました。また、ボケも美しいと感じました。しかし、ノクトンも十分にクオリティの高い描写をしており、アポズミとの価格差が1/10と考えると素晴らしくコスパの良いレンズです。また、開放F値1.5はアポ・ズミクロンに対しての明確なアドバンテージです。
引き続き、アポ・ズミクロンをチェックしてみたいと思います。
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