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Plaubel Makina 670で 35mmフィルム パノラマ写真をトライ

Plaubel Makina 670で、35mmフィルムを使ったパノラマ写真をトライしてみました。中判カメラを使ったパノラマ写真は、パーフォレーション(スプロケットの穴)まで写し込んだユニークな仕上がりになります。これを一度やってみたかったのです。

準備

まず購入したのが、35mmフィルムのパトローネを中判カメラに挿入するためのスペーサーです。これはAmazonで販売しているもので、3Dプリンターで作られています。価格は$16くらいでした。モノとしては非常にシンプルなので、3Dプリンターを持っている人は自分で作れると思います。

使用する道具の全体像です。メイン機材の中判カメラ(左上:Plaubel Makina 670)とフィルムローダー(右上)。1と2が記入されているペーパーは、35mmフィルムの両端にテープで止めるものです。フィルムを納めたパトローネと、撮影ずみのフィルムを巻き上げて収めるパトローネの2本を用意します。あとセロハンテープ。

まず、長さ8インチ、幅35mmの紙(2)をパトローネの芯にセロハンテープで取り付けます。

もう一つのパトローネには、8インチ+7インチの紙(2)を取り付けます。8インチと7インチの部分にSTARTと書きました。これがフィルムをセットする目安になります。

その後、2の紙をフィルムローダーのフィルムとセロハンテープで繋げます。そして、フィルムローダーのメモリで20コマ分をパトローネに巻き上げます。
20コマ分は、120フィルムのフィルムの長さは830mm相当という考え方です。135ミリのパーフォレーションピッチは0.1870インチなので、8穴で1コマ送るため0.1870x8=1.4960インチ(約38mm)となります。そのため、830mm ÷ 38mm =約22コマ分となります。フィルムローダーは、パトローネに巻くため、長さに余裕があります。それを2コマ分としました。本当はもっとあると思いますが、短くなるよりも長い方が良い考え、フィルムローダーのメモリで20コマ分を巻き上げました。

2コマ分巻き上げたパトローネに、1の紙をセロハンテープで繋げます。

余分な部分を巻いて、2つのパトローネにはスペーサーを装着します。

Plaubel Makina 670の厚版を120から220に変更します。120フィルムは遮光紙がありますが、220フィルムは35mmフィルムと同じく遮光紙がありません。今回は35mmフィルムを使うので、220にセットします。

フィルムをカメラにセットします。フィルムのパーフォレーション部分までレンズの後玉が被っているのが確認できます。

あとは、普通の120フィルムと同じくSTARTの位置まで巻き上げて裏蓋を閉めます。

が、しかし、何故か巻き上げ側のパトローネとスペーサーが固くうまく機能しません。無理やりやるとカメラが壊れそうなので諦めました。

そこで、巻き上げ側は通常のリールを使うことにしました。ペーパーを新たに取り付けて完成です。STARTからフィルムまで7インチが重要です。STARTからリール巻き付け側は8インチ程度で良いらしいです。

気を取り直して、再度カメラにセットします。これで上手く行きそうです。しかし、撮影済みのフィルムをパトローネに収めることが出来ないので、フィルムを取り出すときはダークバックの中での作業が必要になります。

現像

さて、早速撮影してきました。9枚目までは順調に撮影できたのですが、10枚目を撮るために巻上げレバーを操作したら、引っ掛かって動かなくなりました。これはフィルムの長さが足りなかったのかな?と考え、9枚で撮影終了としました。

帰宅して、早速ダークバックの中にカメラとハサミ、現像するためのリールを入れました。手探りでカメラの裏蓋を開けてフィルムを取り出します。そのままリールにフィルムに巻き付け、現像タンクに納めることができました。

現像が終わりフィルムを見ると、1枚目はかなりギリギリから始まっていました。STARTから7インチでしたが、もう少し短くして余裕を持たせた方が良いでしょう。

また、何故だか、ほとんどコマの間隔がありません。最初の2枚は、若干重なっています。この原因は不明です。

また、巻上げレバーが引っ掛かって10枚目が取れませんでしたが、9枚目から先にはまだ十分に余裕があります。何故引っ掛かったのか、全く原因が分かりません。

スキャン

スキャンはブローニーフィルムと同じくIntrepid Compact Enlargerを使って、CANON 5D Mark IVで行いました。フィルムをマウントの上下で押さえられないので、平滑性が十分担保されていません。ここは改善策を考えなければなりません。6x7のフレームではなく、ガラスで押さえるなどが考えられます。

仕上がり写真

ということで、仕上がった写真です。

まとめ

ドタバタしたものの、とりあえずパノラマ写真を撮ることができました。構図においては、上下方向はファインダー内に示されないので、ざっくりとなります。厳密な構図は難しいですね。パーフォレーションの部分まで映ると、確かにひと味違う印象になります。中判カメラを楽しむ幅を広げてくれます。

一方、巻上げレバーが動かなくなることや、コマ間隔が不均等になったりと不具合もありました。高価なカメラを壊したくないので、あまり無理してパノラマ写真にトライすることは考えものです。画質に拘らなければ、ロモグラフィーから出ている35mmパノラマカメラ「Sprocket Rocket」の方が、簡単に撮れて良いかもしれません。

カメラ:Plaubel Makina 670
レンズ:NIKKOR 80mm F2.8
フィルム:ILFORD HP5+
現像液:Kodak HC-110 希釈率H
停止液:水
定着液:TF-4 ARCHIVAL RAPID FIX
ER水洗:水水滴防止剤:Kodak Photo Flo 200
スキャナー:Plustek OpticFilm 8200i SE
スキャン:CANON EOS 5D Mark IV / EF 100mm f/2.8L Macro IS USM / Intrepid Compact Enlarger
出力:Adobe Lightroom Classic

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