PENTAX 17とRollei 35Sを比べてみた
フロリダ旅行で持って行ったフィルムカメラは、PENTAX 17とRollei 35Sの2台です。Rollei 35Sを持って行ったのは、秋に発売される予定のRollei 35AFを意識したからです。と言っても、オートフォーカス・自動露出機能を搭載したRollei 35AFは、オリジナルのRollei 35Sとは全く異なる撮影体験が予想されます。
50年以上前の機種とはいえ名玉"Sonnar 40mm F2.8"を搭載したフルサイズのRollei 35SとハーフサイズのPENTAX 17の描写を比べるのは意味がありませんが、単なる興味としてあえて描写を比較してみました。フィルムは、両方ともお気に入りのCineStill 400Dを使いました。
朝日が差し込むモーテルのプールです。CineStill 400Dの特徴的な赤いハレーションは、ハーフサイズになるともっと派手に描写されるかと予想していましたが、フルサイズのRollei 35Sとあまり変わりがなかったです。PENTAX 17は粒状感が目立ちますが、解像感においてはRollei 35Sに負けていないと感じました。
夕陽が当たるモーテルを撮りました。露出は、自動露出のPENTAX 17の方が夕陽の雰囲気を捉えており好みです。Rollei 35Sは、一段露出を絞ればもっと夕陽のオレンジが強調されたと思います。
この比較で、Rollei 35Sのレンズ"Sonnar 40mm F2.8"の描写が素晴らしい事を再確認しました。右のスポットライトの色が違いますね。PENTAX 17は、CineStill 400Dらしい赤いハレーションが出ていますが、Rollei 35Sは青白い光になっています。PENTAX 17は、全体的に赤味が強く描写される傾向にあるかもしれません。
暗くて逆光という悪条件ながらも、PENTAX 17も負けていません。Rollei 35Sの解像力には敵わないものの、ハーフサイズとしては十分な描写だと感じました。
やはり、PENTAX 17の方が若干赤味が強いですね。同じフィルム、同じスキャナーなので、おそらくレンズの特性かと思います。こういう晴天で順光での撮影は、どちらのカメラでも簡単に撮影出来ます。PENTAX 17はAUTO、Rollei 35Sはシャッタースピード1/500で絞りはF11です。
PENTAX 17はフラッシュを使い、Rollei 35Sは自然光で撮影しました。どちらも悪くないですね。フラッシュが搭載されているのは、大きなアドバンテージだと思います。その意味で、Rollei 35AFは期待大です。
Rollei 35Sは高級コンパクトカメラだけあって高い所有感と、Sonnar 40mm F2.8の素晴らしい描写、何よりもフルサイズという大きなメリットがあります。一方、PENTAX 17は、フルサイズの描写に敵わないものの最新のコーティングを施されたレンズは、おそらくハーフサイズカメラとしては最高の描写でしょう。そして、ハーフサイズなのでランニングコストを半分に抑えることができます。大きな粒状感が昨今のデジタル写真に対するアンチテーゼとしてポジティブな表現として捉えることもできます。
両方とも露出計搭載目測式カメラですが、Rollei 35Sは完全マニュアル式でPENTAX 17はセミマニュアル式です。操作性はモードダイヤルを理解すればPENTAX 17の方が簡単ですが、Rollei 35Sも慣れれば簡単なカメラです。ただ、AUTOモードがあるPENTAX 17は、初心者にとって心理的ハードルは低いと思われます。さらに、フィルム装填において失敗しづらいイージーローディング方式は素晴らしい機能です。フィルム初心者にとってフィルムが確実に装填できるというのは、何よりも心強いでしょう。
これ以上カメラを増やすわけにいかないので、Rollei 35AFが発売されてもスルーしたいと思いますが、大変興味深いカメラです。皆さんのレビューが楽しみです。