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米国最古のカメラショップ

出張で空港に向かう途中、100年以上の歴史があると自負するカメラショップに寄ってみました。

看板もお店の外観もクタクタな感じで、歴史を感じるというよりも、くたびれた印象です。店に入ると、黒人の店員さんが元気よく挨拶してくれました。カウンター前の椅子にリラックスして座っている太った白人の男性もおり、常連さんか店員が分かりませんが、彼も和かに「ようこそ」と言ってくれました。

店内は外観と同じく雑然とした印象で、中古カメラと暗室用品、フィルムなどが陳列されていました。正直、経営が成り立っているのか、心配してしまいます。

店の人に「この店は100年以上の歴史があると聞いたけれど、そうなの?」と聞いたところ、「1912年からだよ。現存するカメラショップでは、米国最古だよ。」と、白人の男性が自慢げに答えてくれました。本当かどうか、エビデンスが無いので分かりません。

「暗室のタイマー、あります?」と聞いたところ、奥から無愛想のお爺さんが出てきて、かなりボロいタイマーを無造作に渡してくれました。$25とのこと。この無愛想なお爺さんが、おそらくオーナーなのでしょう。頑固なお爺さんという感じで、その存在が素敵でした。白人の男性は、このお爺さんの息子さんかもしれません。

この$25が適正価格か分かりませんが、彼から渡されたというプライスレスな価値に納得して、動作確認だけして買うことにしました。ついでに、中古のトングが1本$1だったので、それも2本購入しました。

私のささやかな出費が、この米国最古のカメラショップの末長い繁栄の一助になるとは思いませんが、また訪れたいと思います。

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