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AIによるモノクローム写真のカラー化
今日、写真家渡部さとる氏のYouTubeチャンネル「2B Channel」で興味深い話題がありました。それは、Adobe Photoshopを使ったAIによるモノクローム写真のカラー化です。江東文化センター2F展示ロビーで開催されているTOKYO8X10 展覧会2021(7月10日~15日)に、写真家横木安良夫氏がモノクローム写真をPhotoshopでカラー化した作品を出展しており、それを話題として取り上げ実際にPhotoshopでカラー化する実演をしてくれました。
日々モノクローム写真ばかり撮っている私としては大変興味深く、早速トライしてみました。
まず、ニューヨークのグランド・セントラル・ターミナルで撮影したモノクローム写真をPhotoshopで開きます。そして、フィルターからニューラルフィルターを起動します。
ニューラルフィルターを起動を起動すると、調整画面が出てきます。調整画面の「カラー化」を有効にすると、数秒後にカラー化されます。あっという間です。
とても良い感じでカラー化されるのに驚きました。かなり正確に色彩が再現されているという印象です。見出し画像もモノクローム写真をPhotoshopでカラー化したもので、レンガの色などかなり正確です。最初からカラーフィルムで撮影すればいいじゃん、というツッコミはあるかと思いますが、AIを使ったカラーも味わいがあって良いです。
これは、Rollei 35S / ILFORD HP5+で撮った写真をカラー化したものです。かなかな上手にカラー化しています。
これは、LEICA MP 0.72 / ILFORD HP5+の写真です。自転車のリアフェンダーの色が、レッドからグリーンにクラデーションしていますね。これ、実はブルーです。ここは完全にAIの判断は誤りです。完璧ではないことが分かります。景観的には、AIが判断した色彩の方が良いですね。
ところで、モノクローム写真のカラー化は、昔プロに頼んだことがあります。自分の結婚式に出席する妻の祖母に、彼女の花嫁衣装の写真をカラー化してプレゼントするというサプライズ企画をやりました。
これがオリジナル写真です。呉服屋の娘ということもあり、大正時代ながらとても美しい花嫁姿です。これをプロに頼んでカラー化してもらいました。
色彩が入るとさらに美しさが際立ちます。とくにゴールドは、とても素晴らしい光沢で煌びやかな花嫁衣装が表現ざれています。レタッチが派手で人物が若干不自然に浮きだっていますが、これも職人によるカラー化という味わいがあります。で、PhotoshopのAIでカラー化したらどうなるだろうと試みました。
なるほど、色褪せたカラー写真という味わい深い雰囲気になりました。色の再現性関しては、緑がほとんど出来ていませんね。紫は一部だけで、袖のところは黒になっています。ゴールドもあまり再現されていません。写真の劣化具合で、色彩の再現性も変わってくるかもしれません。なんたって大正時代の写真ですから、、、。でも、自然な雰囲気が残されており、これはこれでアリだと思います。
ただ、祖母にプレゼントで差し上げるには、やはりプロにカラー化して頂いた写真の方が映えて良いですね。プロがカラー化した写真を額装して、結婚式で祖母にプレゼントしたところ大変喜んでくれました。彼女は3年前に、92歳という大往生で安らかに旅立ちました。たまたま一時帰国で日本に戻っていた時で、葬儀に参列できて良かったです。