『Edgewood』 写真集プロジェクト - 2

３年半間通い続けたEdgewood AVEの集大成としてプライベート写真集を制作するプロジェクトを進めています。

ISBN番号の取得

「APOLLO VII - XVII」 のISBN番号とバーコード

今回制作する写真集は個人作成のZINE（ジン）に分類されますが、少し格好をつけてISBN番号を取得しました。ISBN番号は、書籍を特定するための国際的な番号で、オンラインで簡単に取得できます。無料版と有料版がある中で、今後の展開も考慮して、有料版を選びました。製本業者の中には、オプションでISBNを取得してくれるところもありますが、私が依頼しようとしている製本屋にはそのサービスがなかったため、自分で手続きを行いました。

米国でISBNを発行している主要な代理店は出版サービスのBowkerで、今回はここで発行しました。費用はバーコード生成も含めて150ドル。1つだけの取得は割高で、100個分まとめて購入すると575ドル（1つあたり6ドル未満）になります。趣味とはいえ、贅沢な買い物でした。もし今後、4種類以上の写真集を作る予定があるなら、まとめ買いの方が経済的ですね。写真集を作りたい友人が4名以上いれば、1つだけの取得に対してコストを抑えられます。

ISBN番号はネットで検索することも可能です。例えば、上の写真のISBN番号「9783961711321」は、「APOLLO VII - XVII」です。ISBN Searchで検索するとちゃんと出てきます。私に発行されたのは「979-8」から始まる番号で、米国出版である事を示しています。

写真集の紙

さて、写真集の紙ですが、製本屋さんと相談して、最終的にNewspaper紙に決まりました。いわゆる、新聞紙（ザラ紙）です。実は、安いと思っていたこの紙は、普通の紙に対して少し価格が上がります。あまり、本に使う紙ではないので、特別仕様のようですね。土門拳の写真集『筑豊のこどもたち』を参考にして選んだ紙なので、仕上がりがとても楽しみです。『筑豊のこどもたち』は、60年以上経過し、紙のエイジング（劣化）が進み、とても良い味わいとなっています。時を経て変化する紙質を求めていたので、まさに理想的な紙です。

写真集の構成

Edgewood AVEは多彩な被写体に溢れ、何度訪れても飽きることがありません。3年半前から撮り続けており、これからも撮影を続けたい場所です。この写真集では、3つの章に分けて構成しました

Scenery（風景）

Edgewood AVEの魅力は、再開発が進んでいないため、街の独自性が保たれている点にあります。個性的なウォールアートが多く、コミュニティに貢献した人物をモチーフにした作品など、時代のメッセージを映し出すアートが絶好の被写体となっています。

People（人々）

このコミュニティの人々は、サザン・ホスピタリティを体現し、非常に個性的です。彼らの多様で魅力的な表情が印象的で、歴史あるコミュニティならではの深い意味を感じさせます。3年半以上この場所に通い続けている理由は、その表情を写真に収めたいという自分自身の自然なモチベーションにあります。

Barbershops（理髪店）

Edgewood AVEには多くの理髪店があり、その理髪店の魅力は、大柄な男性がケープを纏い、受け身になっている愛らしい姿にあります。私の写真集のハイライトは間違いなく、この理髪店にあります。この人たちとの出会いと交流こそが、Edgewood AVEでのフォトウォークを特別なものにしてくれました。

掲載許可

プライベートスペースで撮影した理髪店の写真については、撮影時にその都度許可を取っていたので基本的に問題はないのですが、写真集にまとめるにあたって、改めて掲載する許可を得た方が良いと考えました。そこで、それぞれの理髪店を訪ね、PDFで作成したデータを確認してもらったところ、すべてから快く承諾をいただきました。それどころか、皆さん非常に喜んでくださり、中には「資金援助するよ」とまで言ってくださる方もいました。もちろん、掲載を許可をいただけるだけで十分なので、そのお申し出は丁重にお断りしました。出来上がった写真集は贈呈し、楽しんでいただこうと思っています。

「Madam C.J. Walker Museum」のオーナーのRicciさんとは、たまたま行きつけのカフェでばったり出会いました。ちょうど良いタイミングだったので、写真集について相談したところ、快く許可をいただきました。ついでに、写真も一枚撮らせていただきました。

次に訪れたのは「STONEY’S BARBERSHOP」。オーナーのStoneyさんも快く許可をしてくれた上、資金的なサポートまで申し出てくださいました。本当にありがたい限りです。同じく、いつものように写真も撮らせていただきました。

さらに、「The SWAG Shop」と「Ernie’s In the Cut」にも足を運び、同じく写真集の件をお伝えして許可をいただきました。皆さん写真集の完成を楽しみにしてくださっているので、私も大いにモチベーションが上がっています。

部数

とりあえず100部作成する予定です。理髪店はじめ、協力してくれたお店や、Edgewood AVE関係者には無料で配るので、残るのは80部くらいでしょう。

販路

現時点では、販売については全く予定がなく、このまま販売しない可能性もあります（笑）。ただ、ネットで調べてみると、ZINEを販売する方法がいくつかあるようなので、写真集が完成した後、ゆっくり考えてみたいと思います。この無責任・無計画さこそ、自費出版の醍醐味ですね。