Bell Mountainで紫金山・アトラス彗星を撮ってみた
紫金山・アトラス彗星が観測できるというニュースを見ました。この彗星は、2023年1月に中国の紫金山天文台で発見されたものです。どこで観測しようかと考えていたところ、妻がBell Mountainに行ってみたいと言い出しました。調べてみると、なんとその場所が紫金山・アトラス彗星の観測に最適だということが分かりました。妻は彗星のことは全く関係なく、ただカリフォルニア州にある観光名所、サルベーションマウンテンの山版のような場所だと思って興味を持ったようです。
実際、標高1,043mの頂上に行くと、露出した岩肌に沢山のペイントが施されていました。ただ、サルベーションマウンテンのようなアート性はあまり感じられませんでした。むしろ、私がよく行くEdgewood AVEの近くにある、Krog Street Tunnel(クロッグ・ストリート・トンネル)の山版といった雰囲気です。
頂上からの眺めはまさに絶景で、特に頂上まで車でアプローチできる点も、この場所の大きな魅力となっています。
頂上には山ヤギがいて、のどかな雰囲気を堪能できます。上四つの写真は、全てスチールリム復刻版です。開放で撮ったので、滲みがすごいですね。
今回の撮影には、LEICA M10-P、LEICA MP 0.72(フィルムはILFORD HP5+)、CANON EOS R6、Plaubel Makina 670(フィルムはKODAK EKTACHROME E100)、PENTAX 17(フィルムはCineStill 400D)と、なんと5台のカメラを持参しました。車での移動だからこそできる贅沢なカメラ装備です。
この日は、私たちと同じように、アトラス彗星を写真に撮る目的に来た人たちがいました。私たちの横は、若い中国人女性のグループで、EOS 6Dなど、キヤノンのカメラで撮影を挑んでいました。
上の写真は、EOS R6とRF 70-200mm F4L IS USMで撮影したものです。美しい夕日が広がり、彗星観測には絶好の条件でした。しかし、日が沈んでもなかなか彗星を見つけることができません。事前の情報では西の空にあると分かっていたものの、目視では確認できませんでした。そこで妻がiPhone 15で西の空を撮影したところ、なんとその写真に彗星が写っていたのです。さすがiPhoneですね。
iPhone 15のおかげで場所を特定したら、後は写真を撮るだけです。
まずは、EOS R6とRF 70-200mm F4L IS USMで撮影しました。望遠レンズなので、なかなか目視できない彗星を見つけるのは大変でしたが、何とか写す事ができました。
とりあえずEOS R6で撮影できたので、次にLEICA M10-Pでトライしました。レンズは、Elmarit-M 28mm F2.8 ASPHです。開放F2.8、ISO4000で、シャッタースピードはバルブモードで8秒数えました。
さすがアメリカの空、至るところに飛行機が飛んでいるのがよく分かります。Elmarit-M 28mm F2.8 ASPHで彗星をしっかり撮影できたことには感動しました。これなら、ATOLL ULTRA-WIDE ANGLE 2.8/17 ART LENSも持って行けばよかったと思います。おそらく、天の川も美しく撮れたことでしょう。
Plaubel Makina 670で彗星を撮影しようと考えていたものの、ポジフィルムのKODAK EKTACHROME E100ではうまく撮影できる自信がなく、今回は断念しました。PENTAX 17も同様です。こちらは、ケーブルリレーズを忘れてしまい、長時間露光ができなかったためです。しかし、ILFORD HP5+を装填したLEICA MP 0.72では撮影したので、現像の仕上がりが楽しみです。
彗星がなかなか見つからず焦りましたが、最終的にはしっかり撮影できてよかったです。彗星の写真はすべて、Adobe Lightroom Classicでノイズ除去を行いました。