オタクと趣味特技

これはもうウン年前のこと……

「やばい!趣味も特技もない!」

私は焦っていた。
当時大学4回生、絶賛就活中。履歴書を書く段階で詰まったのはここだった。

一応、教員免許を取得見込みだったので資格面では引きがある(と思っていたが、「すぐ辞めるのでは」と思われて案外邪魔になることが多かった)。しかし、書ける趣味も特技もない!

いや、本当はあるにはある。パズドラとラブライブ!である。
書けないって。今では「ガクチカ(学業以外で力を入れたこと)」などとくさいフレーズでリア充を促しているが、「大学ではライブ行って、パズドラしてました!」とは書けないって。たとえそれで金を稼いでいたとしても、当時YouTuberやプロゲーマーはバカにされていたので厳しい。

趣味特技など面接での雑談枠に過ぎないのだから、思い悩むことはなかったかもしれない。しかし、面接の経験が少なく、失敗続きでもあったから何かひねりだす必要があると思い込んでいた。

こうして、ガクチカなし人間は悩みに悩んだ末、

「うーん、ならば今から生み出すか」

と、おかしな方向に進んでしまった!

とはいえ、趣味や特技は好きでやる(できる)ものであって、生み出すものではない。オタクだから重々承知はしていたので、一応パズドラやラブライブ!と関連のあるところを探った。

そこで見つけたのが「占い」。ラブライブ!といえば、東條希ちゃん、ヨハネと2作連続でタロットカード占いができるキャラが登場していた。

ヨハネは推しなので、それを原動力に勉強もできるはず!

「決まったァ!」

これが占い師・もじゃらんど誕生の経緯である。

ちなみに、始めて数ヶ月で履歴書に「特技・占い」と書いた。本を読みながらでないと出来ないにもかかわらず、である。
しかし、面接では必ず触れられたので、引きはあったといえよう。意外にも始めるコストが小さく(カード、教科書、クロスで1万かからないくらい)、場所も取らず、お金も稼げるので案外おすすめできる。

(なお、引きはあったが変人に見られるため諸刃の刃)

それから数年。
趣味特技なし青年にも、趣味や特技が増えてきている。

・占い(レパートリー増えた)
・文具集め
・投資(ファイナンシャルプランナーも取った)
・書くこと
・読書、トレーニングなどもたまに
・もちろんゲームとラブライブ!も

逆にちょっと増えすぎて時間が足りないくらいである。働きたくない。
これだけ見ると意識高そうで困るが、私は生涯意識低く、意識高い奴らをあざけって生きています(最低)。

自分の感性のおもむくまま生きているとなんだかんだ趣味特技は増えるので、あの時焦って作る必要があったのか分からないが、占いのスキルも今に生きているのでよしとしよう。

今ではそれなりに多趣味となってきたが、去年あたりから何故かそれが生きる場面が増えてきた。

というのも、私が推しているアイドルグループにタロット占い、文具集め、投資の話ができる方がいるのだ(!)
これがまた、全くの偶然。「このアイドルグループ、投資と占いと文具集めしてるメンバーがいるから推そう」などと思って……というか不可能に近しいが、そんな動機はない。

メンバーの配信なんかで「〇〇の利回り○%らしいです」などと書き込むと「へぇ〜!でも(業績悪くて)株価低かったんじゃなかったっけ」「あれ?それって年2回分配?」などと聞かれてたまげた。いや、投資が推し活に生きるなんて思わないって。

これらの趣味はどこかで興味を持ったところから始めたが、推しへのエネルギーや熱意を原動力に始めたものも多い。
例えば、声優が紅茶好きなら、紅茶の勉強や多くのブランドを飲むといったことで心理的に近づいたり、推しが挑戦していたことを追体験して一体感を得たりといったことをやってみてもいいと思う。直接の推し活ではないが、(打算的なことを言えば)スキルや知識は自分の中に一番しっかり残るわけで、一周回って一番の推し活になるかもしれない。

そうしたら、投資や占いの話みたく、どこかで繋がることもある。
推し活を通して人生を豊かに、とはよく言うが、推し活で自分の見識を豊かにするのもありだと思う。

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