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【万年筆】2024年の忘年筆
万年筆界隈には、「忘年筆」という概念がある。
これは一年の締めくくりとして、万年筆をお迎えする行事だ。語呂もいいし、これといって積極的に買う理由のない万年筆を買う口実にちょうどいいだろう。まあ、人によっては「新年筆」もお迎えするようであるが…。
今年は私も忘年筆をやることにした。
2024年の忘年筆は、ペリカンのスーベレーンM800(F)だ。軸が透けて見えるので、ほんの少し古いタイプとなる。
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つ、ついに3本目を買ってしまった!中古とはいえ、安くはないので来月の支払いに戦慄することとなるだろう。
買った理由は2つある。
まずペリカンが値上げすること。国内メーカーだけでなく、ペリカンも値上げする。中古価格が上がらないうちに、駆け込みで買っておこうと思ったのである。
あと、ちょうど細字が欲しかったのもある。私はMとEFを持っているが、EFの書き味が芳しくなく、あまり使っていられない感じがした。ペン先の交換も考えたが、中古で1本買うのとたいして変わらない。ならばいっそ、思い切って中古で買ってしまおう!と思い至る。
だが、これがクセモノだった。
この記事にも書いているが、到着時の書き味が良くなかった。引っかかりを感じるのである。
毎度オークションで落札しているのだが、こういう品が多いな……というのが実感としてある。ペン先を自分でいじる勇気のある方以外は野良中古(詳しいショップ以外の中古)はおすすめしない。
私はある程度はできるので、自分で調整することにした。
時にペン先をグリグリ、時にスリスリしてやる。すると、押し書きで全くインクが出ない現象に見舞われたのである!全然できてねえじゃねーか!
途端に大汗をかく私。
「これ調整失敗か?」「高い万年筆をまたダメにした?」と思ったが、諦めずにグリグリやったところ、ペリカン本来の書き味くらいには戻ったと思う。よかったよかった。
さて、ペリカンの細字は他にM205(405仕様に改造)を持っているのだが、豊かなインクフローでスラスラ書ける印象であった。
ペリカンのインクはロイヤルブルー、ブルーブラックなどはかなりサラサラで、フローが渋め(と思っている)。エーデルシュタインやターコイズ、バイオレットといった新興のペリカンインクは割と水っぽくて、舶来っぽいぬらぬら感を楽しめるようだが、上の2つとは少し違いがあるというかなんというか。
私は今のところブルーブラックを飲ませ、サラッと書くのを楽しんでいるが、いずれ入れ替えると思う。というか、ブルーブラックは古典インクのため、首軸のリングを腐食させやすい弱点があるらしい。ただでさえ一昔前のものはここが剥がれまくっているので、無用なリスクは避けたいものだ。
そして新年筆だが、今のところ迎える予定はない。
昨年買いすぎて欲しいものがなくなってきたのと、スーベレーンを迎えたことで去年の目標はおおむね達成できたことによる。あと、予算もない。
めぼしいものがないというだけで、一目惚れで買ってしまうことはあるかもしれないが、現状欲しいものはない。でも、今年も書くネタがたくさん溜まっているので不思議なものである。
というわけで、万年筆ネタもちびちびと書いていきたいと思う。今年もよろしくお願いします。