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【万年筆】パイロット、セーラー値上げ!について思うこと

8月1日、「国内3社」と呼ばれる万年筆メーカー・パイロット、セーラー、プラチナから値上げの知らせが届いた。若干足並み揃えてる感は否めないが、気にしないでおこう。

プラチナは主にボールペンの値上げであり、万年筆はノーダメージ。万年筆使いに影響があるのはパイロットとセーラーとなる。

内容については多くの文具系YouTuberなどが話していると思うが、一応見ていこう。

セーラー

セーラーは9月1日から実施となる。
値上げは2年ぶり。賃上げや情勢不安などを考えると妥当かもしれない。

値上げ対象は「ペン先に相当量の金を使用している一部の万年筆及び、特殊なペン先加工を施している万年筆」で、高級ラインが並ぶ。
逆に、プロフィットスタンダードやプロフェッショナルギアの通常版などは値上げされていない。よって、一般ユーザーが泣きを見る範囲ではないかもしれない。

上のラインナップのほとんどは、2022年以前と比べ3割以上値上げしており、価格高騰が著しい。特に長刀研ぎはセーラーを代表する万年筆なのだが、ここまでくると手が出せない。中古か、長刀研ぎに準じたものを選ぶようになるだろうし、他社の研究も進んでくるのだろう。

また、セーラーは他に2つ、ニュースがある。
一つが「Bespoke」のサービス終了。

好きな色の組み合わせが楽しめるサービスだったが、無念の終了。

もう一つが、ペン先の金メッキの仕様変更である。

これまでセーラーは、ペン先に24金の金メッキを施していたが、ゴールドイオンプレーティングとやらになるらしい。剥がれにくい、色味が安定するなどのメリットがあり、「上方修正」とする見方が多いようだ。
24金でなくなるのは惜しい、と考える人は、実はあまりいないと思う。というのも、金の色が濃すぎてちょっといやらしく見えるからである。というか私がそう思っているので、早く値上げの時期が来てほしいとまで思う。

パイロット

パイロットは9月1日から実施となる。
値上げはなんと、今年の1月に実施している。実に半年ぶり。まあ、元が異常に安かったからしょうがないか…

今回の値上げは幅広い。定番のカスタムシリーズやキャップレスだけでなく、鉄ペンのコクーンまで対象となっている。ここでは触れないが、ボールペンやシャーペン、Vペンなども値上げ対象である。

今回は結構すごい。
特にカスタムカエデは、26,400円から44,000円になっているから驚きだ。カスタムカエデやカスタム845は前回の値上げからちょうど倍になっている。

他にも1月以前から5割近く高騰した万年筆も多く、見た目のインパクトが大きすぎる。何度も言うが、パイロットは元が安すぎた。その分値上げ幅も大きくなってしまうのだが、消費者の心情と財布にはよくないものである。

また、パイロットはインキも値上げしている。

多少値上げしたとて、量があるためまだ安い。
しかし、価格という点だけでいえばパーカーやペリカンのインクと差がなくなってしまった。色彩雫で遊ぶのも、ちょっと抵抗が生まれてしまう…。

これを受けて

万年筆の値上げ理由といえば、金価格の高騰、人件費の高騰が多い。
国内では賃上げが叫ばれており、世界的な政情不安で金が高い。地球で生きている限り万年筆が高くなる理由など容易に理解できる。

よって、私も値上げは肯定派。そういった事情は分かるし、やはり生産者に幸せになってもらわないと困るからである。

そもそも、ペン先に半分以上金を使っているって何?今や100円のボールペンでも不満なく筆記ができる時代、万年筆は嗜好品と言って差し支えない。採算も取れないであろうに、まだ作ってくれる会社に感謝である。

しかし……私も万年筆の普及を諦めたくないひとりだったが、今回はこたえるなぁ…と思った。
鉄ペンはまだ手が届くが、そこから金ペンの魅力を!と考えたとして、エントリーモデルでも2万に達するレベルである。

賃金がたいして上がっていない時代に、いち筆記具に2万円はちょっと手が出しにくい。
中古やネットで買う手もあるが、初心者ではちょっと怖い(調整してもらえる機会があれば…)。人にも少し、勧めにくいなぁ…。

情勢があるとはいえ、万年筆が時代に取り残されている感じがする。
世界がめちゃくちゃ平和になったら、値下げしてくれないだろうか…。

あ、ちなみにカスタムカエデを買いました。

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