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半年ぶりに東京を出てみた
行動制限が解除になり、2月下旬に予定していた帰省をやっと実行できた。都内から出るのは、半年ぶりくらい。いろんな出来事が一気に起きた、不思議な期間だった。
羽田空港の中はまだガラガラ。お土産物は商品が少なくて、レストランも閉まっている。便数が減らされた飛行機も、座席は結構あいていた。機内サービスが調整されていて、飲み物は紙パックのお茶。紙パックでもジュースとかコーヒー牛乳とか、250mlのお水とかを選べたらいいのに、と思ったけど、まぁ、これはそんな大事でもないな。
実家最寄りの地方空港に降りたら、いつもとほとんど変わらなかった。出迎えの人たちがマスクをしているくらいで、人口密度の薄さも、いつも通り。車社会だと、まったくの他人と接触することは、本当に少ない。
先週辺りから蒸し暑く、草も野菜も数時間でみるみる成長するらしい。久しぶりに眺める庭は、ものすごく濃い緑になっていた。マスクしないで外に出られる、田舎の自然の空気はやっぱりキレイでいいな〜、などと思っていたら、急に目の前に巨大なバッタが飛んできて怖すぎた。それは最悪です。
人間の社会が、大騒ぎのうえに一時停止し、最近またザワザワし始めているのだけど、どうやら人間が密集しない地域には、あまり関係のないことらしい。
紫陽花がたくさん咲いていたから、切って部屋に生けてもらった。虫に遭遇しない生花鑑賞は、静かでとてもいいです。
20歳になる我が家のおばあちゃんネコも、相変わらず。久しぶりの私にもまったく興味を示さない。撫でていると、目を瞑ったまま面倒くさそうにシッポをはたはたするくらいで、1日20時間ほどを、好きな場所に移動しながら寝て過ごしている。
あぁ、他人の目や行動を気にしない自由な生き物って、見てるだけで和むなぁ。こっちは、半年間も息苦しかったよ。そう思ったすぐ後に、でも私がウイルスをキャリングしてたら、この子にうつしてしまうの?と不安がよぎった。
帰省の道中、たくさんの知らない人にすれ違った。たくさんの人が働いていた。もっと便利でもっとたくさんのサービスが提供されててもいいのにとも思ったけど、振り返るとやっぱりまだ怖い。だいぶ日常に戻ったけど、こんなふうに感じるなんて、半年前と根本的に何かが変わってしまったんだな。出かけたいところはまだまだあるけど、仕方ない。私だけの問題じゃない。リスクを自覚しながら、しばらくは慎重に生活するしかないんだ。