卵巣がんで入院した日から調度一年が経ちました
卵巣がんで入院してから今日で調度一年が経った。
おりしも本日は定期通院の日。
手術は行ったものの、その後の抗がん剤などの付加治療は一切断って経過を観察してきたが、今のところ腹水もたまらず、腫瘍マーカーの数値も低い状態のまま一定している。
がん治療で一番重要なのは一発目の手術で、この手術の際にどれほどのがん細胞を取り除くことが出来たか、ということが再発するかしないかの一番の大きな要因になる。
私の場合は、卵巣という骨盤に囲まれた分かりにくい場所にあるガンだったこともあって、確実にガンであると分かって手術したわけではない。
とはいえ、私の独りよがりな実感としては確実に全てのガン細胞を取り除いたと思っている。
胃や大腸などと違い、卵巣の場合は比較的独立した一つの器官であって、それを一部だけ取り除いたわけではない、子宮や卵管、大網・リンパ節も含めて丸ごと取り除いてしまったのだから、残したものは何もないという実感を感じている。
抗がん剤を拒否したため、予後は順調に回復していったことと、何より卵巣が亡くなったことによるホルモンバランスの乱れで体調が劇的に変化して、様々なトラブルに次々とみまわれたこともあって、むしろ卵巣がんだったということはめったに思い出さない。
普段はすっかりがんのことなど忘れて元気に生活しているのだが、そういえば調度一年たったのだということを思い出したので、卵巣がんの生存率を調べてみた。
同じ部位のがんであっても進行期によって生存率は大きく変わるし、組織診断の結果でも、年齢、治療法によっても変わる。
だから生存率の統計などは自分の状態にごく近いものでないとあまり意味がない。しかしどんなに近い統計を探してみてもそれでもなお、やはりあまりあてにはならない。
その人個人の生活習慣や基礎体力、免疫力などあまりにも個人差が大きいからだ。
が、それでも一応最新の生存率を探してみる。
卵巣がん(漿液性腺癌)Ⅰ期 50代女性
外科手術を行った場合の相対生存率 (卵巣がん以外の理由で死亡する場合もあるため、実測生存率に補正をかけた数字)
1年生存率 0.983
2年生存率 0.972
3年生存率 0.955
4年生存率 0.924
5年生存率 0.900
6年生存率 0.876
7年生存率 0.872
8年生存率 0.869
9年生存率 0.859
10年生存率 0.849
全国がんセンター協議会の生存率共同調査(1990-2005年期間)(2020年1月集計)による
ガンの部位や病期・年齢など詳細な集計から生存率を調べられます
http://www.zengankyo.ncc.go.jp/etc/index.html
うーん。正直よく分からない。
ただとびぬけてどうこういうような大きな変化は感じない。
だから、結局経過観察しかないのだろう。
1年が過ぎて、毎月診察から2ケ月毎、そして次回から3ケ月毎になった。半年ごとのCTスキャンも継続して行っている。
腫瘍マーカーも毎回取っているが、数値は低いままで全く問題がない。
・・・だから今のところ再発の兆しもなく大丈夫だということだ。
変な話だが、がんサバイバーというのはこういった病院で計る数値以上に、自分自身で勝手に自分の体調を計る指標というものを持っているのではないだろうか?と思う。
私の場合は・・・実は白髪だ。
もともと若白髪で小学生の頃から髪に白いものが混じっていた私にとって、髪の毛の白髪は当てにならないが、その他の部位の白髪はマメに観察をしている。
体毛・眉毛・まつ毛・脇・陰毛などの白髪だ。
ガンの自覚症状は全くなかったが、一つあとから考えて思い当たるものがある。それが実は全身の毛の白髪である。
ガンが発覚する一年以上前くらいから急速に体中の毛が白くなっていった。
眉毛もまつ毛も・・・言わないが体中の毛からどんどん色素が失われていって、「いや~年を取るとどんどん白くなっちゃうのかしら?髪ももう大分真っ白だしな~」なんて思っていた。
当たり前だが、体中の毛が白くなったからと言って病院に行く人はいない。年のせいだろうと思って驚いたが放っておいた。
多分私の場合それが体調のバロメーターなのだろうと思っている。
その証拠に・・・というわけでもないが、退院して体調が元に戻ってきて、それ以降、体中の毛がどんどん黒くなっていっている。
真白になって毛も抜けてきて、もう、脇の処理はしなくて済むから良かったわ・・・なんて思っていた頃がうそのようである。
すっかり真っ黒な毛が生えそろってしまった。
・・・というわけで、多分、体中の毛が黒々としている限り、体調は万全で再発の予定はないのではないだろうか?・・・と自分自身では感じているのである。
まあ、それが本当のバロメーターなのかどうかは神のみぞ知るだが・・・