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雪に閉じ込められる

ソルトレイクシティの冬

私の住むアメリカ・ユタ州ソルトレイクシティエリアでは 年末全く雪が降らなくて「来年水不足かしら」という会話がしばらくされていたけれど、先週からほぼ連日雪が降っている。
このValley盆地で10cm積もるということは山の上は1mに近く積もっていることもあるほど。もちろん水不足の心配はまだあるけれど、各スキー場はホッとしていることだろう。

今朝も一旦降り止んだ隙にオットと二人で家のドライブウェイなどの雪かきをしてきた。スノーストーム警報は出ていたけれど、それほどの量ではない(5cmくらいなら鼻唄歌いながらできる)のと、地域柄 乾燥した雪(つまりとても軽い)が多いので全く問題がなかった。
そしてコンクリート敷きのドライブウェイや玄関へのアプローチなどは、朝に除雪すれば午後には乾くのだ。

雪国では家から出られなくなることはない

ところで雪国に住んで20年になるが、雪のほとんど降らない関東から移住した私は「アメリカの雪国の暮らし」が思った以上に快適で大きな問題なく進むことに驚いてきた。

大雪が降ったら家から出られなくなる・・・と思いきや、降雪予報にあわせて公共の融雪剤を撒く車が動き出し、降り始めると見事なチームワークを見せる除雪車数台が3台並んで高速道路を、2台並んでで幹線道路を除雪していく。並ぶ、といっても1台がもう1台の斜め後ろにピタリとつけているのだ。先導車からこぼれた雪は次の除雪車が綺麗にひろいあげ、すこし斜めにつけられている除雪板によって雪は歩道側にきれいに避けられていく。重機が一糸乱れぬダンスをしているようで結構見惚れる。

それらが一段落すると除雪車は各地域の道にとりかかり、半日もたてば住宅街の道路も除雪される。そうやって雪が降り続けなければ夕方には道路という道路はだいたい乾いてしまう。除雪された雪がまわりに山を作っている違いはあるけれど、基本的には「日常」がいつもどおり変わらず行えるのだ。

雪に閉じ込められてしまうのはちょっと怖いことだ

あやうく雪に閉じ込められるということを、何度か経験してきてはいる。だが雪国ではそれぞれの家すらちゃんと雪対策をしているので、そして先述のように公共サービスでの雪対策もかなりしっかりしているので、本当の意味で「閉じ込められる」ことは この地域に暮らしてからはない。
むしろ関東の実家や東京に住んでいた頃にあった、3〜5cm積もった雪が翌日凍って、危なくて外に行けない・・・といったことのほうが記憶に強い。本気で「雪そのものに閉じ込められた」のはマンハッタンに住んでいたときに経験した1日半だけだ。除雪もおいつかなかったから、ブーツの中に雪がふくらはぎの方から入ってくるのを気持ち悪く思いながら歩いて近くの店に食料調達に行ったっけ。

きっと幸いなのだ、そんな「閉じ込められる」経験がほとんどないことは。
けれど「雪に閉じ込められる」夢を時々みる。夢の中で家人がしばらく出られないね、困ったねと話している部屋の隅で、子供の私は小さい窓をほとんど覆い尽くしそうな雪と外でうなりをあげて渦巻く雪を見てワクワクしている。子供なのだ、そんなことでワクワクしてしまっているのは。

・・・と、降り続く雪のせいでやたらと静かな部屋の中で目が醒める。
関東育ちの私にあの夢は私の記憶じゃないような気がする。あんな雪深いところにいた覚えがナイ。・・・ああ、そうか。アルプスの少女ハイジに出てきたシーンかな、きっと。
小さい頃好きだったアニメのシーンは、時々思いがけないほどに記憶に根をおろしているものだな。

雪国の週末は家に籠もって過ごすのが楽しい

本当なら雪で閉じ込められてしまうのってちょっと怖いことだ。でも現代は公共サービスがしっかりして移動手段としての自家用車も多少の雪くらいなら充分動けるから、本当の意味での怖さは分からない。

まぁ自ら「雪だし週末は家に籠もって過ごそう」って決めて、それがちょっと秘密基地に寝泊まり、みたいな響きでワクワクしているところだけどね。この2日で積ん読を3冊やっつけた。
さて週末、映画を何本見ようか。


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たなかともこ@ツレヅレビト
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