そんな高尚な話ではないのですが
オットと「いつかこのワイナリーを訪ねてみよう」と15年位前に話したことがある。
その時は海が近い田舎町に住んでいて、そこのリーズナブルなイタリアンレストランは当時共働きだった我が家の「ちょっと日常の忙しさから抜け出す場所」で、そこではカリフォルニア・ナパのワインが手頃な値段で供されていた。
当時、レストランで一本2500円程度だっただろうか。
その後の二度目のアメリカ住まいでは州が管理しているリカーストア(ユタ州は酒・カフェイン・タバコを禁ずるモルモン教のメッカなのでね・・・)で安いワインを時々買えるようになった。いつも一本$10以下のワインを選んで買うようになった。そして、日本で飲んでいたワイナリーのワインも、$8〜9で売られているのを見つけた。今も時々、そこのワイナリーのものを手に取る。
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私達はワインそのものの味とかを楽しむ前に「1日の終わりに夫婦で少し、お酒を楽しむ時間」を持つのが好きなんじゃないかと思う。
私自身は遠い遠い昔に両親の友人達がやっていたクリスマス会に連れて行って貰って、それこそ一本百万円レベルのワインを一口飲ませて貰って驚愕したことがあるのだが(確かに何もしらない小娘にも表現のしようのない香りと味わいと余韻とがあるものだと一発で理解出来るものだった)、そういう楽しみはやっぱり「出来る人達」「その余裕を持っている人達」というのがあるから。そういうのは私達夫婦のものでは、ないかな。
でも週に数回、安いけれどそこそこ美味しいワインを開ける、を続けていられるのは とてもラッキーで幸福なことだと思ってはいる。(ちなみに$10以下のワインなら、ヘタするとビールを飲むより安いです)
まぁそんなこんなで20年くらい安ワイン(とか言ったら生産者さんに怒られるか)を飲み続けているが、場所柄安くて美味しいワインと言えばいくつかのエリアがあるのだと知る。
自分の好みでいえば、まぁ世界的にも有名だけどカリフォルニア北部のワイン、それからスペイン・リオハのワイン。その値段帯であっても 自分の好みで「あ、これ好き!」というのがある。
それは生産者さんの違いかも知れないが、いわゆる「土の違い」もあるのかもしれない。実際、同じ品種に分類される葡萄なのに 好きな生産者さんと美味しいけど特に覚えるほどでは。。。な生産者さんとがある。
子供が大きくなって、夫婦でちょっと旅行することが出来るようになってきた。訪れた先にあるワイナリーも、気が向けば行ってみようかとなる。あるいは立ち寄ったことのない街だけれどワイナリーが多いらしいと聞いて訪れてみたり。
そして、流通に乗せるにはコストがかかりすぎてしまうのだろう、地元だけで売られているワイナリーというのが沢山あって、まぁ一本$10以下とは行かないけれど それぞれにとても美味しいワインを皆さん作っているのだな、というのが分かって来た。
一本$30とかいうワインは 私にとってはまだドキドキしながら購入するもの、なのだけれど、このくらいの値段をワイナリーで出すとまず間違いなく「あ・・・美味しいねぇ」というワインが供される。
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これまでは年に3度ほど、オットは日本にいって仕事をしたりしてきたのだが、この禍で2週間縛りがあるため、ほぼそれは不可能になっている。ということで、日本行きのために抑えていた2週間ほどの休みがぽこっと空いた。
その予定変更を話していたときに、私達はいつものお気に入りワインを飲んでいた。なんとなく思い出し、「いつかここに行きたいね、って言ってから15年くらい経っちゃったね」と口に出た。
ああ、折角だし行ってみようか。
タイミングってそういうものかもしれない。
そのエリアで 名前まで覚えている好きなワインをつくるワイナリーは2つある。
もちろんそれらは、州を越え、ときに海をこえて流通させるほどの大きなワイナリーだけれど、その他のワイナリーも また「知らなかったけれど美味しい」というところがいっぱいあるに違いない。
趣味というにはおこがましすぎるが、ちょっとした旅の楽しみ方の1つかもしれないと思う。
15年か。ワインの味やランク付けみたいなものは全く無知だが、一応長く長くそこの葡萄のファンだった。
どんな土の、どんなところで育っているかを眺めにいくのも、面白いんじゃないかと思って今とても楽しみにしている。