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欧米ですごく流行っているCold Plunge(コールドプランジ・冷水浴)とは

入りたくない!!!って思うくらいの冷水に数分浸かるだけ。
それで大きな健康へのインパクトがあるっていうんだからそりゃ流行るだろう、というもの。

これで得られる利点として挙げられているのは

  • 気分と集中力の向上

  • 炎症と筋肉痛の軽減

  • 疲労回復と身体能力の向上

  • 免疫システムの向上

  • 回復力とストレス対処力の向上

  • 代謝促進・耐寒性向上

  • 他にも、心・血管機能を良くすることも指摘されている

ホントかよ?!って思いますよね。一応医学的にあれこれ検証済み・認められていることで(追加検証はまだ必要だけれども)、そもそもの温度と体内の機能・免疫・ストレス耐性などの変化研究発端はヴィム・ホフ(Win Hof)さんという「アイスマン」として知られる人のチャレンジから、らしいですよ、話は長いから割愛しますが。→ホフさんについての日本語Wikiはこちら

正式な「こうやるんだよ」という方法は決まっていませんが(下にあるヒューバーマン先生の一本目の動画参照)、要するに「うわーーーいやだぁぁぁぁぁ」と思うくらいの温度ストレスを身体に与えると、人間本来のもつストレス耐性やその向上力が発揮される、という結構新しい医学的見地に立ってます。

多分流行り始めた一番の理由は、上記の「気分と集中力の向上」。
アメリカはうつ病大国で、普通にうつ病の薬を飲んでる人がホントに多い。ところがこのコールドプランジでうつ病の薬や薬用大麻(海外では使用OKな場所が多く街中で普通に売られている。Weedと呼ばれ、タバコみたいなウィードを店で吸えるようにしたウィード・バーなんかも人気だったりするし、街中を歩けば結構あちこちで「あ、ウィードの匂い・・・」っていう煙の匂いもする)を手放すことができた、というひとが続出したのです。

その次の流行った理由になる効果は恐らく「代謝促進」。体重を減らすダイエットに取り組んだことのある人なら、人間の身体に普通の脂肪細胞(ホワイト・ファットセルfat cell)と「褐色脂肪細胞」(ベージュ/ブラウン ファットセル)があって、太るとき増えるのが普通の脂肪細胞、一方で「体温維持のためばんばんエネルギーを燃やす」仕事をするのが褐色脂肪細胞というのは聞いたことがあるのでは。で、コールドプランジでは脂肪細胞が褐色脂肪細胞に「変化する」ことが分かって大騒ぎになりました。(といってもイキナリ全部が変わるわけじゃないですが)
(※そして基本的にこの温度変化ストレスに対して身体は守りに入るので、体重は多分ほとんど変化しないといわれています)

これに伴った変化と思われますが、インスリン感受性やインスリンそのものの量、血糖値などが低下〜正常化するひとが出ました。
また温度変化に伴い身体が臓器を守るために心拍出量を変えたり末梢の血管をギュッと締めたり逆に開いたりするからでしょう、心血管系データも改善するひとが多くなりました。

(↑ものすごく端折った説明で、飛びつきたくなるひとも多いと思いますが、一回深呼吸してヒューバーマン先生の「講義」をきちんと聞いて理解するのをおすすめします。)

誤解を怖れずにコールドプランジのやり方を書くと

  1. 「入りたくない」「不快だ」と感じるくらいの冷水に首まで浸かる

  2. 「もうだめだ!」と思ったらそこから10秒我慢する

  3. これを週に数回やる。(後出のソバーグ先生の研究では2〜12℃くらいの温度で週に合計11分やれば効果は出る、と。でもこれもちゃんと話を聞いて理解して欲しい)

よくある質問

「冷水の温度は?」
個人差が大きいので(そして一人の人でも1日の時間帯で不快に感じる温度は違う)「この温度で、とは示せない」と言われます。ただ基本原則は「不快に感じる(入るなんて嫌だと思い、入ったらこんなの耐えられないと思うくらい)温度」で、でも「まぁ数分なら死ぬことはないかな」と思える温度です。
日本の温泉やサウナにある水風呂を冷たくて入れないと感じたり温いと感じるひとがいたりするのと一緒と考えてもらえれば。(ただしサウナとの併用時の水風呂とは使い方が違うので、整うことを目的にサウナを使うひとには「一緒でできる」ことは・・・ないんじゃないかな。)

「冷水シャワーではダメなのか」
大丈夫です。でもシャワーだと皮膚に当たる面積が違うのと やり方に個人差が出すぎる(個人の身体の大きさと水量の関係や、縮こまったり手を濡らさない人、頭を濡らさない人などバラバラになりがち)ので研究には使われていません。
温度ストレスを加えるという意味ではコールドプランジがいいですが、(私も1つ前の記事に書いたように)個人宅でのしつらえもなかなかたいへんなので、冷水シャワーがいちばん「誰でもすぐできる」こと、という意味で勧められます。

「凍り付く気温のミスト室では?」
そもそもの装置が高額で研究に使われていないため良いとか悪いとかの医学的データはありません。

「どのくらいの時間やればいいのか」
これも絶対というのはありません。(ヒューバーマン先生の動画の38:30〜で説明されています)ただヒューバーマン先生曰くの「壁wall」を超える、というのが時間の目安になるかと思います。結局温度変化のストレスで体内のアドレナリン・ノルアドレナリン(=エピネフリン・ノルエピネフリン)の放出量が大きくかわることがコールドプランジのベネフィットに直結するので、壁という考え方が時間の目安になる。
なんだったら水の前で「これから冷水に入るぞ」と思っただけでアドレナリンがばばん、と放出される人もいるから(これも壁)です。
壁には このような「入りたくないなぁ、でも入るぞ」という壁だけではなく、水に入って「冷たい!やってられない!でもあと5秒!あと10秒!」と思う壁、他にも「今日は昨日より2℃低い温度にしてみるか」「今日は温度は一緒でも1分入ることを目指すぞ」みたいな壁、「冷たくて辛いけど呼吸と心を落ち着けてみるぞ」という壁・・・・というように、いろんなところに自分だけの「壁設定」ができるそうです。
だから時間で縛るよりも 毎回2-3の壁を越える、と自分に言い聞かせて行う、というほうがいい、とヒューバーマン先生。

慣れて来たら水に浸かっている間に「認知機能を使うこと」をする、というのも。Sudoku(数独)でもいいし詰め将棋でもいいし、よいアイディアが出てこない案件について、なんかでも。

ただし、「低体温症」を引き起こさないようにね。

ちなみに私個人はまだ2週間くらいしかやってませんが、今は10℃〜12℃くらいの温度で1-5分、です。私には15℃以上はそれほどストレスにならない温度だし、外気温や体調で浸かっていられる時間は変わります。「頭を使う」は出来ないけど呼吸と意識を鎮めることをやってます。(一度4℃でやったら頭痛がひどくして続けられなかったので10℃にしました)
室内にあるシャワーなら一番冷たい水で5分くらい浴びます。いやだなぁ、こんな冷たいの・・・・って思って「でもあと10秒」を繰り返すとこんな時間に。

効果?んーーーー・・・・よく分からない 笑
でも「ストレス耐性」はついてきてると思う(もともと心臓に毛が生えてるとか言われるけどw)。

正しく理解するために強くオススメ

ここで紹介する動画を全部、というのは面倒だと思うけど、正しい「科学的根拠」も知ってた方が理解は深まると思うので置いておきます。アンドリュー・ヒューバーマン先生(登録者数600万人超えのYoutuber。なんとスタンフォード大医学部の神経生物学・眼科学の教授。ついでに、だけどこの方、ムッキムキのオッサンに見えるけど実はトランスジェンダー。)のYoutubeです。彼の説明は当然ながらスゴイ数の医学的発見や研究論文が元になっています。

そもそもの「冷たさ」が健康にどう良い事を及ぼすか、っていう2時間講義はこちら↓。(英語)

28分くらいからが驚く人間の身体の変化の研究結果説明です。(ついでに23分位のところから1分くらいは効果的に熱中症を避ける方法も言ってるよ)書く時間があったら(そして気が向いたら)要約記事書くかもだけど、聞いた方がはやい。そして情報も正しい。

それからコールドプランジやサウナとの併用での効果についてデンマークの研究者・ソバーグ先生との動画(フルのは2時間超え!)があって、英語はそんなに難しくないので聞ける方はこちらでも。週に合計11分やれば効果あり、って話もここにあります。


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