オレゴントレイルのこと② Road Trip(5)
ネブラスカ州のオガラーラという街の西側にAsh Hollow State Historic parkというのがありまして。
先住民にとっては豊かな湧き水のでる大事な土地、開拓民にとっては 水のない土地を100マイル(160km)歩いたあとに初めて水の存在を示唆するような木々が見えた、という憩いの土地です。同時にオレゴントレイルの中でも幌馬車を坂の下に下ろさねばならない難所でした。
遊歩道があり、それを辿ると
オレゴントレイル・カリフォルニアトレイルともにここを通ったんだよ、という立て札。そしてその向こう側に川か、と思うような凹んだ一筋の・・・そう、これ轍あとなんです。あまりに多くの馬車が通ったので、削れてこんなに深く刻まれています。
向こう側の丘にも・・・・水が流れることはなさそうなところにくっきりと道が。これが沢山の幌馬車が通ったあと。
こちらもですね。
重い荷物をのせた馬車をこの坂で下らせるのは本当に大変だったようですが、その先にあるアッシュ・ホロウというエリアでは皆が一時旅の疲れを癒し、壊れた馬車を手入れし、必要なものをまた揃えていったようです。ここを開拓の場としたひとの家が残っていて、場所的に郵便の中継点もかねていたそうです。
先ほどの開拓者の家から5kmほど先に、先住民も大事にしていた湧水のエリアがあります。多くの木があり、果樹も豊かで開拓の人々もしばらく身体を休めることができたようです。
ここの先住部族(主にスー族)は白人たちと上手くやっていこうとした人達でしたが、1854年、ララミー砦近くで(軍がスー族との取り決めを破って戦いを扇動)戦いが起こりました。この戦いの知らせが上層に届くと政府は先住民族への報復を指示。これを受けて1855年にこのアッシュ・ホロウ近くでアメリカ軍と先住のスー族との間で大きな戦いが起こり、先住民の戦士は殆どが死亡、70名以上の女性と子供達が捉えられる結果となります。
前記事でオレゴントレイルは西部開拓時代を後押ししたトレイル(道)だってことをご紹介しましたが
その中で、入植者たちが家族や友人と連絡をとるため郵便の取り扱いをしながら 同時に先住民に襲われたりしないよう警護にあたっていた軍のひとたちがいて、あちこちにFort(砦)がつくられていた、っていうことを書きました。
さて、ここで多くのひとが見ているであろう映画を思い出して貰いたいのです、ダンスウィズウルブズ Dance with Wolvesです。
南北戦争中に「英雄」となった主人公は、報償(というか見返りというか)に「フロンティア(開拓される前のアメリカ原野)を見てみたい」という願いを聞き届けられ、移動していった先にあった 荒れ果てたFort(砦)に住み始めますね。そう、Fort(砦)です。
大きな砦は軍隊が駐留しますが、開拓が進んでいないところは原住民が襲ってきたり(そりゃそうです、そちらから見たら白人は侵入者)していたんですね。
この映画では時代や軍の行動が合わない、などの指摘はあるけれど、ノンフィクションを念頭に置いたフィクションだからなぁ、と私個人は考えています。そしてやっぱり、繋がりを書かれていないけれどこのアッシュ・ホロウの戦いなどを全く無関係とは思いがたい・・・
夫々の立場に正義はあるのでしょうけれどね。
さて、オガラーラに戻って、昔懐かしい街並みを再現したエリアっていうのが街の中心に作られているので見に行きました。
パンデミックのせいもあるでしょうが、11時に開くと書かれているこのエリア、11時半に行ったけれど開いてたり開いてなかったり・・・・・ま、そんなもんか。
このあと、ちょっと予定を変更してもうちょっとオレゴントレイルを行きます。ゴーセンバーグという町は、同じ名前の街がノルウェーにあるんですが 最初の入植者たちがノルウェー人だったようですね。
ポニーエクスプレスというのがよくわからないんだけど、早馬だったのかな?なんにしてもいろんなトレイルが中継する要所だったんですね。
これがそのポニーエクスプレス。残念ながら、この町の歴史的なものは全部パンデミックでクローズドでした・・・
さて、オレゴントレイルはこのへんまで。
あとは電気自動車を時々充電しながら次の宿泊地、カンザス州ヘイズHaysに向かいます。
ちなみに、あとで気付いたんですが「ダンスウィズウルブズ」で主人公が連れて行かれようとしたFort(砦)はこのHaysでした。大分遠いよね・・・
上の写真の真ん中くらいでネブラスカ州からカンザス州へと入ります。
カンザス州・・・・もだだっぴろい。
地層の関係でしょうね、未舗装の道が真っ白に伸びているのが印象的でした。
原油も結構あがる土地らしいHays。街の周りにこういうオイルくみ上げの機械が沢山あって、動いています。
Hays一泊の先はカンザス州の中の大都市ウィチタへ行きます。